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浜名湖を囲む浜松市・湖西市に住んでいても、えびすき漁を耳にしたことがある人は多くはないだろう。ましてや実際に漁をしたことのある人はどのくらいいるのだろうか。そんな私も長い間この地域で暮らしているが、聞いた事はあっても、体験した事はなかった。現在では、浜名湖でしかできない体験として、全国から取材や問い合わせが殺到している。果たしてこのえびすき漁とはどんな漁なのだろうか。
21時30分。生温い風が肌寒い空気に変わる頃、湖西市にある新居漁港に船頭達が集まりだす。1人が黒板に数字を書き始めると、皆がソワソワし始めた。これから漁の獲れ高に関わる、船の位置を決定するくじ引きが始まるそうだ。なんと、初めての私がくじ引きをすることになった。これは責任重大だ。ドキドキ胸が高まる中、思いきりロープを引く。あっという間にロープが回収され、船の位置が黒板に書き出された。どうやら悪くはなさだ。よし、これから漁に出る。
船に乗り込み、風と月明かりだけの幻想的な空間を何隻かの船が同じ方向に走り出す。星空の美しさと浜名湖の大きさを体感できる束の間の湖上ドライブ。船は鉄橋近くで減速し、柱と柱の間のそれぞれの位置へ入って行く。船頭さんがフックのついたロープを取り出し、鉄橋へ引っ掛ける。船の両端が固定され、船が鉄橋と平行になった。このえびすき漁は、浜名湖から遠州灘へ干いていく潮の流れを利用して、流されてくるえび達を鉄橋の下で狙う漁なのだ。
ワイヤーの大きな網を持って船の上に立ち水面を眺めると、大きな魚たちがはしゃいでいるかのように干き潮に逆らって泳いでいる。まるで天然の水族館だ。すぐ近くに見えるため、網ですくうものの、全く獲ることができない。夢中になって獲っていると船から落ちそうになるので注意が必要だ。そんな魚たちを見ながら水面をひたすら睨むこと数分。白いゴミのような浮遊物が流れてきた。見えた!これが今日の獲物、えびだ。静かに網を落としじっと待つ。網に入りかけた瞬間、ぴょーん!と跳ねて逃げてしまった。悔しくて船にいる全員が声を上げる。そう、このえびすき漁は、網を上げるタイミングが肝なのだ。
水面と睨めっこをし、えびを獲るのにも慣れてきた頃、北の方から大きい浮遊物がやってきた。とりあえず網を落とす。ヒラヒラ水面を踊るかのようにやってきたシマウシノシタというカレイの仲間。何も考える間もなく網の中へ自ら入ってきたかのように捕獲。まるで海の流しそうめんだ。その後、潮の流れがますます早くなり、自然現象に目をとられていると、溺れかけているかのように蟹が流されてきた。またもやナイスキャッチ!蟹は他のえびや魚を傷つけてしまうため、捕獲後すぐに爪を切る。カレイに続き蟹まで獲れた。浜名湖の豊かさに感動しながら集中していると、3時間という時間があっという間に過ぎてしまった。
漁を終え、漁港に降り立つと、他のメンバーはすでに降りていて、えびをクーラーボックスに詰めていた。どうやら今日の獲れ高はまあまあらしい。
このえびすきの醍醐味は、自分で獲ったえびや魚を持ち帰ることが出来ることだ。遠方の方にはクール宅急便でも送ることもでき、手ぶらで遊べるのも良い。
潮の満ち干きがある浜名湖だからこそできるえびすき漁。ぜひ多くの人に体験していただきたい。
編集部:河野
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