浜松市中心街からほど近い浜松城公園は、浜松城を中心に日本庭園や芝生の広場などがあり、市民の憩いの場として親しまれています。
桜の名所としても知られ、浜松城の天守閣を中心にソメイヨシノや枝垂れ桜、山桜など、約330 本の桜がピンク色に染まる様子は幻想的でとても美しく多くの花見シーズンは多くの観光客で賑わいます。
そんな浜松城公園の一角ににある「浜松市美術館」は、豊かな緑に囲まれた、気軽に立ち寄ることができる美術館です。
今回は「浜松市美術館」をご紹介します♪
目次
浜松市美術館は1971年(昭和46年)7月に市制60周年を記念して建てられ、県内初の公立美術館として浜松城公園内に開館しました。
建設費のうち約1/3が市民の寄附による市民参加の美術館です。
初代館長で医師の内田六郎氏が寄贈した浮世絵、大津絵、ガラス絵などの「内田コレクション」が数多く収蔵されているのが特徴です。
中でも伝統的なガラス絵は浜松市美術館の代名詞でもあり、多くの美術愛好家から「ガラス絵の美術館」としても親しまれています。
内田コレクションガラス絵・牡丹と錦鶏鳥
写真提供:浜松市美術館
年間3~4回の企画展・特別展では国内外の美術作品を鑑賞することができます。
入館料は、企画展・特別展の内容によって異なります。
また、浜松市美術館では「アートをより楽しんでいただこう」という思いで、学芸員のそれぞれの研究分野や展覧会、館蔵品や地域ゆかりの芸術などの魅力を発信しています。
画像引用:浜松市美術館
美術品のプロである学芸員の方の話を聞くことにより、芸術の奥深い世界を知る機会となりそうですね。事前予約が必要となりますので、上記サイトからお申込みください。
※お知らせ※
2025年12月~2026年3月までは外壁改修工事のため休館予定です。
第73回市展(2026年2月22日(日)~3月4日(水)開催)はクリエート浜松で実施となります。
2階建ての浜松市美術館は建物1階に2つの展示室、2階に1つの展示室があります。
各展示室では、さまざまな企画展示や特別展が開催されており、何度訪れても楽しめるのが魅力!
取材日当日の第1・2展示室では「躍動するアジア陶磁」の特別展が開催中でした。
※2025年6月22日まで
画像引用:浜松市美術館
【観覧料】
・一般1,300円
・大・高校生・70歳以上700円
・中学生以下無料
現在公開中の特別展では、1973年に開館した東京都町田市立博物館(現在は休館中)が所蔵する国内最大級の東南アジア陶磁器と、中国陶磁器約130点が展示されています。
アジアの国々の陶磁器の歴史などを知ることができる展示会には、浜松市美術館所蔵の陶磁器も展示されているため、見ごたえ十分です◎
1時間程度でゆっくり見て回ることができる館内は、企画により展示品の魅力が一番伝わるような演出のため、展示内容によって雰囲気がガラリと変わります。
今回の陶磁展では、ひとつひとつの陶磁器の表情がより引き立つようなライティングが印象的で、室内は落ち着いた照明と背景は黒で統一されていました。
壁には陶磁の歴史が章ごとにまとめられ、地域ごとの時代背景が分かる内容になっています。陶磁器に詳しくない私でもとても分かりやすく見やすい印象でした。
「躍動するアジア陶磁」は撮影OKの企画展でしたが、展覧会によっては撮影NGの場合もありますのでご注意ください。
展示室には撮影可否がわかるポップも貼られています。ルールに沿って美術鑑賞を楽しみましょう♪
※2025年7月19日(土)~11月3日(月)
画像引用:浜松市美術館
浜松市美術館所蔵の「内田コレクション」のガラス絵と、国内外の美術館、個人所蔵の作品などを合わせた約200点を紹介する企画展。
【観覧料】
・一般1,800円
・大・高校生・70歳以上1,000円
・中学生以下無料
ガラス絵の技法や歴史など知ることができる企画展となっており、7月19日には「大ガラス絵展記念講演会」も開催予定です。
【大ガラス絵展記念講演会】
日時:2025年7月19日(土)13時30分~15時30分
講師:
クリストファー・トレペシュ氏(Christof Trepesch, アウクスブルク市アートコレクション&美術館・博物館 館長)
ハンス・ビヤーネ・トムセン氏(Hans Bjarne Thomsen, チューリヒ大学大学院 教授、東洋美術史研究所 所長)
ジュリア・クワント氏(Julia Quandt, アウクスブルク市アートコレクション&美術館・博物館 学芸員)
場所:ホテルコンコルド・葵の間(浜松市中央区元城町109-18)
定員:先着100名
参加費:無料
申し込み方法:6月19日(木曜日)13時00分から、専用フォームにて申込み
1階、2階ともに設備あり。1階のトイレはオムツ交換台が設置された多目的トイレあり。
企画展によって館内のレイアウトが変わりますが、休憩スペースあり。
・授乳室:なし(希望の場合は別室にて対応。美術館職員まで)
・エレベーター:あり
・ベビーカー:貸出3台あり(無料)
・車いす:貸出3台あり(無料)
・バリアフリー対応状況
・売店:あり
・カフェ:なし
・レストラン:なし
・無料Wi-Fi:なし(2025年度中に整備予定)
・充電スポット:なし
・コインロッカー:31個あり(返金方式)
取材時の売店の様子。企画内容に合わせたショップが出店されています。
混雑状況は下記のサイトのピープルカウンターからご覧いただけます。
↓↓
https://svc01.p-counter.jp/shr3svr31/hamamatsu/art-muse_hp.html
住所:静岡県浜松市中央区松城町100-1
TEL:053(454)6801
営業時間:9時30分~17時
入館料:企画展により異なる
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)・展示替え期間
画像引用:浜松市美術館
アクセス:JR浜松駅北口→バスターミナル1番乗場からバスで8分・美術館下車、徒歩2分
乗用車:東名高速浜松ICから県道65号・国道125号経由9.1km約30分
駐車場:浜松城公園駐車場(90分有料+浜松市美術館利用で+60分無料=合計150分無料)
ホテルコンコルドの目の前の駐車場です。
思いやり駐車場:2台
車いす専用駐車場:1台
浜松市美術館公式サイト一覧
浜松市美術館の周辺には「浜松城公園」や「家康の散歩道」などの観光スポットがあります。
ぜひ、浜松市美術館と合わせてお楽しみください!
\\浜松・浜名湖の//
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今回取材に協力してくださった浜松市美術館の学芸員の島口直弥さんは、仏像の調査研究に取り組んでいます。
写真提供:島口直弥さん
浜名湖を取り囲む遠州・東三河地域には、平安・鎌倉時代の貴重な仏像が点在しているそうです。
重要文化財に指定されている仏像をはじめ、歴史的な価値や芸術の観点からみても優れた仏像が遠州地域に存在していることを多くの方に知っていただこうと、寺社外初公開の貴重な仏像を含めた展覧会を過去2回実施。
2回の展覧会で約3万7千人の動員があり全国から仏像ファンが浜松市美術館に訪れました。
1つの展覧会を開くためには実地調査や関係者の理解・協力がかかせないと島口さん。
約3年の準備を経て、ようやく展覧会が誕生するそうです。内容を1冊にまとめた展覧会図録「みほとけのキセキ」「みほとけのキセキⅡ」は見ごたえ十分な書籍です。
「みほとけのキセキ」シリーズを含む、浜松市美術館の学芸員が編集・執筆してきた過去の展覧会図録の一部は、展覧会会期中であれば館内にて閲覧が可能です(要入館料・一部購入可)。ぜひ手にとってご覧ください。
浜松市美術館では、来館者の皆様に芸術・文化堪能いただくことができるよう、多彩な展覧会を企画・開催しています。
また、浜松・遠州・静岡ゆかりの作家・作品、文化財に関する調査研究を進め、その成果について展示を通して広く公開しています。
講演会やギャラリートーク、体験型のワークショップ等、美術をより身近に感じながら楽しんでいただけるイベントも開催していますので、ぜひお気軽に足をお運びください。
今回は浜松城公園内の「浜松市美術館」をご紹介しました。
作品をより身近に感じるようなワークショップや、学芸員による講座などさまざまな取り組みをしている美術館です。
浜松市が誇る美術品が数多く所蔵されている「浜松市美術館」を、より多くの方が楽しんでいただけたらという学芸員のみなさんの気持ちを感じとることができる場所でもあります。
浜松城公園を散歩しながら気軽に立ち寄ってみませんか?
【取材・文】三井忍
【撮影】三井忍
【取材協力】浜松市美術館
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