今回訪れたのは、浜松市浜名区細江町気賀にある「高野山真言宗 光岩山 長楽寺」。

今から約1200年前の平安時代に、弘法大師の弟子により開かれた由緒あるお寺です。
桃山時代から江戸時代初期を代表する作庭家の小堀遠州作と伝わる庭園「満天星(どうだん)の庭」は静岡県指定文化財であり、200株以上のドウダンツツジが植栽されています。
さらに梅の季節は、本堂跡地に続く約100mの古道に咲く梅のトンネルもみごたえがあり、美しい景色を求めて多くの人で賑わいます。
そんな四季を通して訪れたい名所「高野山真言宗 光岩山 長楽寺」をご紹介します。
目次
浜松市浜名区細江町気賀にある長楽寺は、今から約1200年前の平安時代に、真言宗開祖・弘法大師空海の弟子により開かれたお寺です。
遠くの山並みから光る岩盤を霊地と悟りお堂を建てたのが始まりとされています。

本堂は老朽化により解体されおり、現存の客殿は江戸時代に気賀の関守であった近藤氏の祈願寺として建てられたものです。
客殿から望む山の中腹には、聖地とされる「光岩山」を見ることができます。

長楽寺には鎌倉時代に作られた本尊の馬頭観音を始めとして、江戸時代の白漆喰の土塀や、江戸時代中期の山門、静岡県で二番目に古いとされる鎌倉時代作の梵鐘(ぼんしょう)など、歴史を伝える貴重な文化財も残されています。

明治時代の廃仏毀釈により寺の規模が縮小し、長年住職不在のお寺でしたが、現在は浜松市にある別格本山寺院『鴨江寺』の住職が兼務されています。
10年ほど前から尼僧・吉田真譽(しんよ)さんが庵主として、歴史あるお寺の魅力をイベントや学びを通して全国に発信しています。
長楽寺のみどころを尼僧・吉田真譽(しんよ)さんに伺いました。
客殿から一望できる遠州三名園の一つ「満天星(どうだん)の庭」。

写真提供:長楽寺
日本庭園の形式のひとつ「回遊式庭園」で、庭園の中を散策できる形式になっています。
作庭家の小堀遠州作と伝えられている庭には、200株以上のドウダンツツジが植え込まれ、春に咲く可憐な無数の白い花を星に見立て「満点星の庭」と呼ばれています。

写真提供:長楽寺
四季により表情を変える「満天星(どうだん)の庭」。秋に赤く染まるドウダンツツジも風情があり訪れる人の心を魅了します。
写真提供:長楽寺
9月初旬に取材させていただいた時の景色はこちら。

緑が美しく、のんびりと目の前の景色を眺める贅沢な時間を過ごすことができました。
客殿の左前方には「光岩山」があります。

自然豊かな山並みに十三重塔や竹林、松が配置された「満天星(どうだん)の庭」は美しく配置された大小の切石の組み合わせにも注目です。
梵鐘には「遠江国引佐郡気賀庄長楽寺 嘉元三年乙巳四月十日鋳之」と刻まれています。

静岡県内に現存する梵鐘の中で2番目に古いものだそう。嘉元三年(1305年)は今から721年前です。
静岡県内で1番古い梵鐘は資料館に展示されているため、実際のお寺で見ることのできる梵鐘では県内で1番古いものになります。
梵鐘には寛文8 年(1668 年)の追刻や、焼痕があります。

昭和32年(1957年)、静岡県指定文化財に指定され歴史的にも価値が高く貴重な梵鐘です。
長楽寺の本尊「木造馬頭観音坐像」は、鎌倉時代に作られたとされています。
昭和43年11月25日浜松市市指定有形文化財に登録されました。

詳しい説明は以下をご覧ください。


【説明パネルより】
髪は炎のように逆立ち(焔髪)、頭に馬の全身像をいただく。顔は3面で激しい怒りの表情を表す(忿怒相)。3面ともに額に縦向きの目がある。首には3本の筋(三道)を彫り出し、胸飾りをつける。胸の前で親指、中指、小指を立て、人差し指と薬指を曲げて合掌する(馬口印)。全てのひじと腕に飾りを表す(臂釧・腕釧)。右ひざを立て、左右の足の裏を合わせる(輪王坐)。
起伏のある鋭く緊張した顔、彫りの深い複雑な衣文表現、脇手の力強さ等から、鎌倉時代の制作と考えられる。
馬頭観音では、馬は頭部のみに造像されることが多く、全身像である点は珍しい。持物の斧に竜の頭と蛭巻きが施されている点も特徴的である。
本堂跡へつながる石段沿いには、約50本の南高梅が植えられています。
毎年2月中旬ごろに開花し、梅の花とさわやかな香りを楽しみに多くの人が訪れる人気スポットです。

写真提供:長楽寺

写真提供:長楽寺

写真提供:長楽寺
開花状況などは長楽寺の公式サイトから見ることができます。2027年の梅の開花が待ち遠しいですね。
長楽寺には現在7台の足踏みオルガン・リードオルガンが並び、オルガン寺とも呼ばれています。
大正8年製の西川オルガン14号も現役で活躍中。

年に2回、リードオルガンコンサートも行われ、古刹の庭に懐かしい音色が響きます。
コンサートのスケジュールは長楽寺公式サイトで確認することができますので、チェックしてみてくださいね!

写真提供:長楽寺
トイレ:あり
※駐車場にもトイレあり

無料Wi-Fi:なし
御朱印:あり

売店:あり

春と秋、梅の見ごろの時期は混み合う場合あり
住所:静岡県浜松市浜名区細江町気賀7953-1
TEL:053-522-0478
E-mail:info@chouraku-ji.org
参拝時間:9時~16時
不定休 ※事前に電話で拝観日を伝えるとスムーズです
拝観料:高校生以上300円

駐車場:無料
①本堂西側
階段を上がるルートで本堂へ


②本堂に一番近い駐車場は案内板通りに進むと到着します。


※梅の古道入口にも駐車場あり
アクセス
【車】
新東名高速道路 東京・横浜方面→浜松SAスマートIC(ETC車のみ)より国道362号 約30分
東名高速道路 東京・横浜方面→浜松西 ICより細江引佐方面 約25分 、舘山寺スマート IC(ETC車のみ)約20分
東名高速道路 名古屋・大阪方面→三ケ日 ICより国道362号 約20分
【バス】
JR「浜松駅」から、遠鉄バス(三ヶ日車庫行)約1時間、長楽寺入口下車
JR「掛川駅」から、天竜浜名湖鉄道「気賀駅」下車 徒歩25分

・龍潭寺
・竜ヶ岩洞 など
\\浜松・浜名湖の//
↓↓アクティビティを探すならこちら↓↓

写真提供:長楽寺
光岩の祭祀より千年を超えて、祈りの灯を絶やすことなく、人々の平安を願い続けてきた長楽寺。
客殿の上段の間から北極星と巨岩を望むとき、悠久の自然に抱かれ、心がゆったりしてゆくのを感じます。
鳥の声、木々のそよぎ、滝音。
自然と語らい、静けさの中でご自身の心と向き合う――。
そんなひとときを、どうぞ長楽寺でお過ごしください。
今回は「高野山真言宗 光岩山 長楽寺」をご紹介しました。
尼僧・吉田真譽さんにお話を伺いましたが、明るくパワーに満ち溢れた人柄で取材時はとても楽しい時間を過ごさせていただきました。

月に数日、イベントや学びの場が提供されています。
長楽寺には、仏像画家でもある吉田真譽さん作の仏画が展示されています。直接学べる機会もありますのでぜひ公式サイトからチェックしてみてくださいね。

緑豊かな場所にある「長楽寺」。自然に身をゆだねながらリラックスできる場所としておススメです。
【お知らせ】
2026年10月30日~11月3日
東大寺(奈良県)で吉田真譽さんのイベントが開催されます。ぜひ足を運んでみてくださいね!
詳しくは下記をご覧ください。


【取材協力:写真提供 高野山真言宗 光岩山 長楽寺】
【取材・一部写真 三井忍】
前のページに戻る