今回訪れたのは浜松市浜名区引佐町奥山にある「臨済宗方広寺派大本山 方広寺」。

今から655年前。
1371年にこの地を治めていた豪族奥山六郎次郎朝藤(おくやまろくろうじろうともふじ)氏が、後醍醐天皇の11番目の皇子・無文元選禅師(むもんげんせんぜんじ)を招き創建したお寺です。
緑豊かな山中に建立している「方広寺」は、境内の建築物と自然との調和が素晴らしく、季節ごとに足を運びたくなるような素敵な場所です。
国指定重要文化財「釈迦三尊像」をはじめ、多数の登録有形文化財を有する「臨済宗方広寺派大本山 方広寺」をご紹介します。
目次
臨済宗方広寺派大本山 方広寺は、1371年に無文元選禅師(むもんげんせんぜんじ)によって創建されたお寺です。

臨済宗は本山ごとに14の宗派に分かれており、京都に7派、地方に7派あります。浜松の方広寺は「臨済宗方広寺派」の大本山です。
境内には国指定重要文化財「釈迦三尊像」をはじめ、22の建築物が国の登録有形文化財に指定されており、歴史的価値が高いお寺です。

方広寺は別称「奥山半僧坊」と呼ばれています。
そのいわれは、方広寺の開祖・無文元選禅師が、元(当時の中国)から船で帰国する途中、海上で台風に遭遇したことに始まります。
命を落としかけたそのとき、突如として「白髪の鼻高き異人」が現れたと伝えられています。
「白髪の鼻高き異人」は嵐から無文元選禅師の身を守り、無事日本まで導いてくれたそうです。

その後、無文元選禅師は全国を行脚し奥山の地に方広寺を開くことになりました。
そのとき、かつて海上で出会った「白髪の鼻高き異人」が再び姿を現し、無文元選禅師にこう告げたと伝えられています。
「私はこの山の神です。あなたがここへ来ることはわかっていました。あなたのような素晴らしい人を海の藻くずにしてしまうのは惜しいと思い、お助けしたのです。これからは、あなたのもとで修行をしたい」
これを聞いた無文元選禅師が「半(なか)ば僧にあって僧にあらず」と言葉をかけたことから、白髪の異人は「半僧坊」と呼ばれるようになりました。

弟子になり無文元選禅師に仕えしながら修行に励んでいた「半僧坊」ですが、無文元選禅師が亡くなられた後、「わたしはこの山を護り、このお寺を護り、世の人々の苦しみや災難を除きましょう」といって姿を消しました。
以来、「半僧坊」はこの方広寺を護る鎮守さまとして祀られ、人々の苦しみや災難を除く権現さまとして、信仰をあつめる存在になっています。
本堂「宝物展」では、方広寺の歴史がわかる12分程度の動画を見ることができます。

歴史を知ってから拝観すると時代背景が分かりより深く知ることができますのでおすすめです。
境内は約5000坪と広大な敷地の方広寺には、国指定の重要文化財釈迦三尊像をはじめ、貴重な歴史資料や建築物が数多く残されています。

本堂など22棟が登録有形文化財に指定されており、見どころ満載ですので、手書きMAPを見ながら散策するのがオススメです!


資料提供:方広寺
緑豊かな場所に建立されている方広寺は撮影ポイントもたくさんあります。

「四季折々の風景も楽しんで欲しい」と新野祥永 講社部長が、撮影ポイントのアングルを分かりやすく解説したPOPが境内に何カ所か設けられています。
境内撮影の際は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

ここからは方広寺 新野祥永講社部長おすすめの見どころを3つご紹介します。
国指定重要文化財「釈迦三尊像」が安置されている本堂の正面に、山号「深奥山(しんのうざん)」の大額があります。
書は剣・禅・書の達人「山岡鉄舟」の直筆です。

本堂の中に入るとまずは大きさに圧倒されます。
間口32m、奥行き27mと東海地方では1番大きな広さを誇っています。

本堂に安置されているのが、1352年に造られた国指定重要文化財「釈迦三尊像」。
撮影禁止のためパネルでの紹介になりますが、釈迦如來を中心に、向かって右に文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、左に普賢菩薩(ふげんぼさつ)が並ぶ釈迦三尊像です。

「釈迦三尊像」は元禄の頃、水戸の黄門様「徳川光圀公」が修繕を命じられたと背面に記されています。

方広寺は度重なる火災により当時のものは全て焼失してしまっているため、現在安置されているお釈迦様は、山岡鉄舟の尽力により茨城県東茨城郡城里町の南禅寺派の清音寺の山門に祀られていたものを方広寺に迎えたものです。
注目はお釈迦様の頭。
一般的にお釈迦様の頭というと螺髪(らほつ)という丸い突起のような形をしていることが多いそうですが、方広寺のお釈迦様は冠をしている姿で大変珍しいということです。
修復の様子などは本堂隣の廊下にパネルで紹介されています。

「方広寺について」でご紹介した通り、無文元選禅師を海難から救ったことから「海上安全」、明治時代の大火災から半僧坊真殿は難を逃れたことから「火災消除」、そして家内安全、良縁成就に特にご利益があるといわれています。

本堂の中から進むと椅子が設けられていてゆっくりとお詣りすることができます。
半僧坊様お詣り作法も示されていますので参考にしてください。

こちらにも剣・禅・書の達人「山岡鉄舟」の直筆の書があります。

昇龍降龍の横からの撮影ポイントは、本堂側の廊下から進むことができます。


昇龍降龍の正面からの姿は半僧坊真殿正面から見ることができます。

方広寺の境内には悟りを開いた高僧「羅漢」の石像が点在しており、石像の表情やポーズが全て異なり、自分に似た石像があるといわれています。
新たに令和の羅漢として信者の方より奉納を受けているため、その数は1000以上あるそうです。
【石橋(しゃっきょう)の羅漢】
本堂を背にして鐘桜を左に下って行くと樹齢600年以上の半僧杉を過ぎた先に「石橋(しゃっきょう)の羅漢」を見ることができます。
時には4体、時には5体となり方広寺の不思議のひとつといわれています。

撮影日は4体でしたが、方広寺のパンフレットには5体の石像が掲載されています。本当に不思議です。
石橋(しゃっきょう)の羅漢を過ぎて山門まで「らかん坂」と名付けられています。自分や友人に似ている石像を探しながら散策するのも楽しいですね。
【らかんの庭】
本堂の裏手に「らかんの庭」があります。

ここは撮影スポットになっており、中央に鏡が設けられた撮影台があります。
スマホのセット位置の目印にあわせてスマホを置くだけ。撮影のポイントはレンズを下にして撮影することだそう。
鏡に羅漢さまとバックの緑が映り、とっておきの1枚を撮影することができます。


トイレ:あり


無料Wi-Fi:あり
御朱印:あり


写経:あり ※1名より。要予約
坐禅:あり ※2名より。要予約

紅葉の季節は混み合う場合があります。
住所:静岡県浜松市浜名区引佐町奥山1577-1
TEL:053-543-0003
E-mail. contact@hansoubou.com
参拝時間:9時~16時30分(最終入場は16時)
拝観料:
大人 700円 小・中学生 300円
団体(各30名以上)大人 630円 小・中学生 270円
セット券
方広寺 ⇔ 龍潭寺 大人 1,200円 小・中学生 400円
方広寺 ⇔ 竜ケ岩洞 大人 1,300円 小・中学生 750円
休観日:年末28日~31日 ※HPにお知らせあり
駐車場:無料
方広寺までのアクセスが車の場合、駐車場は二か所あります。見どころでご紹介している手書きMAPを参考にしてくださいね。
「方広寺・半僧坊拝観コース」マップ①山の麓にある黒門前の駐車場は「奥山半僧坊大権現」の鳥居を進んだ先にあります。


もしくは山を登った場所にあるマップ⑨三重塔の前の駐車場です。本堂に近いのは三重塔の前の駐車場です。

黒門前から本堂まで徒歩で約10分。坂道のため、本堂に近い方か良い場合は三重塔前の駐車場がオススメ。
アクセス
【車】
新東名高速道路 浜松いなさインターから約8分
東名高速道路 浜松西インターから約30分
東名高速道路 舘山寺スマートインターから約20分
【バス】
遠鉄バス 浜松駅15番乗り場より45番線「市役所 奥山」行き乗車。
約60分乗車後、「奥山」バス停下車
・龍潭寺
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・竜ヶ岩洞

「のんびり ゆったり きらめきの奥浜名湖」浜名湖 湖北五山めぐりを開催中!

浜名湖湖北五山とは、奥浜名湖地域にある国指定重要文化財を有する5つの寺院の総称。
今回取材させていただいた方広寺(引佐町奥山)をはじめ、龍潭寺(引佐町井伊谷)、(初山宝林寺(細江町中川)、摩訶耶寺(三ケ日町摩訶耶)、大福寺(三ヶ日町福長)の浜名湖湖北五山は奈良時代から江戸時代に開創・建立され、大切に引き継がれています。
貴重な歴史資料「重要文化財」を間近で見ることができます。ぜひ足を運んでみてくださいね!
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「このような山奥に、これほど立派なお寺があるとは・・・」
ご参拝のお客様からは、そのようなお声をよくお聞き致します。
東海屈指の大きさを誇る大本堂には、国の重要文化財である釈迦三尊像を安置しております。
ライトアップされ照らし出される荘厳なお姿を、ぜひ間近でご参拝ください。
豊かな自然に囲まれた境内は、日常の喧騒を忘れさせてくれる静かな空間です。
澄んだ空気のなかで心を落ち着かせ、ゆっくりとお参りいただけます。
四季の彩りとともに、皆様のご来山を心よりお待ちしております。
今回は「臨済宗方広寺派大本山 方広寺」をご紹介しました。
「方広寺」といえば精進料理も有名ですが、取材させていただいた2026年7月から食事の提供を一時休止の案内がありました。
再開の際はまたホームページなどで案内があるそうなのでその時を楽しみに待ちたいと思います。
今回は緑が美しい季節に伺わせていただきましたが、次回は紅葉の時期に再び訪れてみたいと思います。
歴史あるお寺「方広寺」をご紹介しました。撮影スポットがたくさんありますのでぜひ足を運んでみてくださいね!
【取材協力 臨済宗方広寺派大本山 方広寺】
【取材・写真 三井忍】
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