だいすきネットをフォローして最新情報をチェック!
「遠江しあわせ いのめ詣でお守り」をご存じでしょうか。
これは静岡県西部(遠江地方)に鎮座する四社を巡拝し、それぞれの神社で授かった小さな「いのめ木札お守り」を四体合わせることで「いのめ詣でお守り」を完成させる取り組みです。
木札の形が猪目を模していることから、この名前が付きました。
今回は「遠江しあわせ いのめ詣でお守り」をご紹介します。
目次
小國神社のいのめお守り
2023年12月下旬から始まった「遠江しあわせ いのめ詣でお守り」は、静岡県西部エリア(遠江)の東西南北に鎮座する四社を巡拝し、それぞれの神社で授かった小さな「いのめ木札お守り」を専用台座に嵌め合わせて完成させる取り組みです。
四社は東から時計回りに森町の小國神社、浜松市の五社神社諏訪神社、井伊谷宮、秋葉神社。
巡拝のスタート神社や順序は特に決められていないため、参加しやすいのが嬉しいですね。
小さなお守りに描かれたモチーフと専用台座のカバーに付いている房の色は神社ごとに異なり、房色は小國神社が緑色、五社神社諏訪神社は赤色、井伊谷宮がピンク色で秋葉神社は黄色です。
いのめ
いのめお守りの形は一見するとハート形に見えますが、これは猪目を模したもので、古代より連綿と続いている災い除けのモチーフ。
現在でも神社建築の80%以上に使われているとされ、小國神社では拝殿屋根の破風尻飾りや唐破風棟鬼飾り、兎毛通懸魚(唐破風に付けられた懸魚)等で見ることができました。
いのめ
秋葉山本宮秋葉神社では幸福の鳥居の額にいのめがあり、条件が重なるとこのような写真が撮影できます。
台座の裏側
お守りと台座の初穂料は、それぞれ500円。
大きさは50円玉ほどで、ハート形…ではなくて、可愛らしい猪目形です。
いのめお守りを嵌め込む台座は八角形で、裏側に四社の社名と「開運招福 福徳円満」の文字が。
それぞれ御祭神やご利益が異なる四社を巡拝することから、さまざまな福徳開運が期待できそう。
井伊谷宮
ここからは四社のいのめお守り等についてご紹介。
紹介順序は筆者が台座を授けていただいたのが井伊谷宮のため、井伊谷宮から反時計回りです。
龍潭寺の北側に鎮座する井伊谷宮の御祭神は後醍醐天皇の第四皇子・宗良親王で、1872(明治5)年に建立されました。
宗良親王はこの地で薨去され、境内西側に御墓があります。
創建当時の井伊谷宮は静岡県内で2番目に格式の高い官幣中社。井伊家発祥の地で神道文化の中心的役割を果たしていました。
井伊谷宮の授与所
いのめお守りの授与所は神門から入って右側に。
鮮やかな赤系の説明書きが目印です。
井伊谷宮のいのめお守り
井伊谷宮のお守りに描かれているモチーフは、御祭神が天皇の皇子であることから菊の御紋です。
台座についている房色はピンクです。
この房色ですが、筆者は最初に手にした台座の房色がピンクだったので、四社のどこで台座を授けていただいても同じ色なのだと思っていました。
けれど先述のように四社ごとに異なっています。
そこで権禰宜の岡部さんに房色の理由を尋ねると、「御祭神の宗良親王がスモモ(李) の花を好きだったから。親王が編まれた和歌集のタイトルは『李歌集』なんですよ」「実際のスモモの花は白っぽい色ですが、スモモと桃は仲間なので」とのお答えをいただきました。
親王の和歌は参道の数か所で紹介しているので、参拝の前後に探してみてくださいね。
井伊谷宮のいのめお守りのモチーフ(菊の御紋)
菊の御紋はお賽銭箱等でご覧いただけます。
※お守りと台座の初穂料はそれぞれ500円ですが、井伊谷宮では台座のみの授与はしていません。
ただし台座がない時にお守りだけ授けていただいた方は、お守りを見せることにより台座のみの授与が可能です。
詳しくは井伊谷宮にお問い合わせ願います。
五社神社諏訪神社
JR浜松駅から西へ約1キロ。
五社神社諏訪神社は創建や御祭神がそれぞれ異なります。というのは、かつては別々の神社だったから。
現在地へ遷座する前は五社神社が浜松城の二の丸に、諏訪神社は引間城下の大手前に(さらにそれ以前は中島一丁目の「六本松」)にありました。
この地へは五社神社が戦国時代末期、諏訪神社が江戸時代初期に遷られ、1960年代に合祀され現在のように1つの神社となるまでは、両社は並んで建っていたのです。
両社はどちらも相殿(主祭神以外にお祀りされる神様)として家康公をお祀りしています。
五社神社諏訪神社の授与所
いのめお守りの授与所は、鳥居をくぐって右側にあります。
筆者の参拝時は台座とお守りの両方が揃っていました。
光の反射で見えにくいと思いますが房色は赤です。権禰宜の鈴木さんに伺うと、これは社殿が鮮やかな朱色をしていることからだそう。
鮮やかな社殿の色をそのまま写し取ったかのような房色ですね。
五社神社諏訪神社のいのめお守り
五社神社諏訪神社のいのめお守りのモチーフ(拝殿前の狛犬)
いのめお守りに描かれているのは拝殿の狛犬2匹。狛犬が持つ魔除け・厄除け、悪いものを吹き飛ばす力にあやかったモチーフです。
いのめの中にちょこんと納まる一対の狛犬が、なんとも可愛らしいと思いませんか?
拝殿前の狛犬は青銅製で、青銅製の狛犬の中では国内最大級の大きさです。
参拝前後に、ぜひ見上げてご覧ください。
五社神社諏訪神社は「家康の散歩道(城内・城下ルート)」のポイントです▼
井伊谷宮と五社神社諏訪神社のいのめお守りを嵌めたところ
五社神社諏訪神社の参拝を終えて、筆者のいのめお守りにはモチーフが2つ入りました。
なお、台座と木札お守りの素材は天竜杉! …ではなくて、木曽檜です。
小國神社
JR浜松駅から北東へ約22キロ。
深い緑の自然に囲まれた小國神社の御祭神は大己貴命です。
大国様とも呼ばれることもあり、日本神話「因幡の白うさぎ」の中で、白うさぎを助けた神様として親しまれています。
長い参道を歩くと、正面に拝殿が姿を現します。
小國神社の授与所
お守りや御朱印等の授与所は鳥居をくぐって左側の、どっしりと落ち着いた建物です。
いのめお守りは絵馬やお守り等の左端に。
柱に掲示されている鮮やかな赤系の説明書きは、大きな授与所の中でも目を惹きます。
小國神社のいのめお守り
小國神社のいのめお守りは、ご覧のように木製の陳列棚に収まっていました。これは同社の神職の方が、御札立てを利用して作ったオリジナル陳列棚なんですよ。
いのめお守りに描かれたモチーフの打ち出の小槌がずらりと並ぶ様子は、見ているだけで幸福になれそう。
台座はお守り横の三方の上に見本品が。房色はご覧のように緑色です。
小國神社のいのめお守りのモチーフ(拝殿前の打ち出の小槌)
同社のお守りのモチーフがなぜ打ち出の小槌かと云うと、それは御祭神の大己尊命が手にしているから。
「四社それぞれが異なる神様をお祀りしているため、巡拝することによって四社の御神徳を受け取ってください」と禰宜の打田さん。
四社を巡拝することにより、さまざまなご利益に期待ができますね。
左:筆者のいのめお守り、右:小國神社のいのめお守り
小國神社の参拝を終えて、筆者のいのめお守りにはモチーフが3つ入りました。
そうそう。
台座の房色が緑色なのは、境内のあちこちを彩る青もみじの色に由来するそう。
小國神社は紅葉の名所として知られていますが、春から初夏にかけての青もみじも美しいんです。
4月から5月、そして6月の梅雨入り前までは日に日に葉の色が力強くなり、新緑から深緑へと葉の緑色が移り変わります。
巡拝の合間に、ぜひご覧ください。
秋葉山本宮秋葉神社「幸福の鳥居」
JR浜松駅から北北東へ約33キロ。
秋葉神社は遠江地方を眼下に望む標高866メートルの秋葉山頂に鎮座し、秋葉山山頂の上社と、山上の御本殿を山麓にて遥拝する下社とがあります。
御祭神は火防の神様として知られる火の主宰神・火之迦具土大神で、毎年12月に秋葉の火まつり(防火祭)が行われます。
秋葉神社(上社)について、詳しくはこちらをどうぞ▼
秋葉神社の授与所(社務所)
秋葉神社の授与所(御札所)
「いのめお守りは山麓の下社でも授けていただけるのかなあ?」と思う方もいますよね。
お守りや破魔弓などの授与所は上社・下社を合わせて5か所ありますが、いのめお守りを授けていただけるのは上社のみなんです。
上社の授与所は3か所で、社務所と社務所の向かい側、そして幸福の鳥居をくぐった左手先にある御札所です。
秋葉神社のいのめお守り
秋葉神社のお守りに描かれているモチーフは、秋葉神社の御祭神の神使(神様のお使い・家来)・天狗です。
その理由を権宮司の河村さんに尋ねると、「天狗を通じて神様からの御加護をいただけるように選びました」との答えをいただきました。
また「台座の房色は金色に輝く幸福の鳥居にちなんでオレンジがかった黄色にしました」とも。
秋葉神社でいただいた台座を見るたびに、幸福の鳥居が思い出せそう。
秋葉神社のいのめお守りのモチーフ(天狗)
お守りのモチーフとなった天狗は境内のあちこちで見ることができるので、探してみてはいかがでしょうか。
井伊谷宮、五社神社諏訪神社、小國神社のモチーフが入った、いのめお守り
いのめお守りのモチーフは菊の御紋、狛犬、打ち出の小槌、そして天狗、と四社それぞれ。
各神社の特色があふれていますね。
ところでこの四社はそれぞれ遠江地方の東西南北にありますが、天の四方を守る守護神の四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)との関係はどうなのでしょうか。
そこで五社神社諏訪神社の権禰宜・鈴木さんにお伺いしたところ、「特に四神とは関係がなく、四社は遠江地域の代表となる神社なので、四方に散らばっています」とのお答えをいただきました。
房の色が四神と対応していないのも納得です。
※四神対応色…東(青・青龍)、西(白・白虎)、南(朱・朱雀)、北(黒・玄武)
この取り組みを開始した四社には、明治時代にそれぞれの地域の代表として神職の学校が置かれ遠江地方の神道文化の拠点となっていました。
その縁から150年の歳月を経た現在でも、例祭に参加するなどの交流を図っています。
そして今回、改めて四社が手を取り合い、巡拝して完成させる「遠江しあわせ いのめ詣でお守り」を始めたのです。
遠江地域の安寧を祈る四社を巡拝することで、心を整え気持ちも清々しく。
巡拝した皆さんに幸福が訪れますように。
(文および1~2枚目、4~23枚目および26目の写真:麻生のりこ)
前のページに戻る
浜松・浜名湖のイベント情報
Event Information
イベント一覧をみる
浜松・浜名湖の観光情報満載!浜松・浜名湖だいすきネット。浜松・浜名湖のイベント情報や施設情報、おすすめ観光スポットを随時更新しています。
PICK UP
お役立ち情報
Copyright © 2018 Hamamatsu and Lake Hamana Tourism Bureau