戦国時代の平均寿命は30代ともいわれる中で、徳川家康は75歳という長寿をまっとうしました。家康公は「長寿こそ勝ち残りの源である」と、食事には特に気をつかっていたといわれています。
江戸幕府の編纂による徳川家の公式記録「徳川実記」には、①普段から粗食を心がける、②季節はずれのものは食べない、③冷たいものは口にしない、④肉はほどほどに食べる、⑤酒は薬として飲むといった家康公の健康法が記されています。
浜松での17年間、試練の日々が続く中で、家康公の気力と体力を支え続けたのも、浜松のゆたかな食材でした。当時の家康公は麦飯を主食とし、浜松特産の浜納豆を好んで食べ、海の幸・山の幸をバランスよく取り入れていたと伝えられています。四季を通じて旬の食材に恵まれていた浜松で、家康公にとってまさに理想的ともいえる食生活を実践していたことでしょう。
浜松地域では、現在も非常に多くの海の幸・山の幸に恵まれ、年間に約170品目の農産物と約150品目の水産物が生産・漁獲されています。家康公も太鼓判を押した浜松の美食を、ぜひたっぷりとご堪能ください。
浜納豆は中国から日本の寺院に伝えられ、浜松市北区三ヶ日町の大福寺が400年ほど前に製造した塩辛納豆が元祖とされています。家康公はこの納豆が大好きで、大福寺から納豆の到着が遅れた際には、「浜名の納豆はまだ来ないか」と催促したことから「浜納豆」と呼ばれるようになったといわれています。塩辛い豆粒の中に旨味とコクが凝縮され、日本酒にとてもよく合います。豆をつぶして調味料として使うこともできます。
薬草・スイカズラをお酒にした忍冬酒は、古くから不老長寿の酒として重宝されてきました。1570年に三河から浜松に本拠地を移した家康公に、神谷権兵衛が忍冬酒を献上したところ、大いに喜ばれたという逸話が残っています。以後、家康公は忍冬酒を愛飲し、健康と長寿をまっとうした要因のひとつともいわれています。
浜名湖は養殖うなぎの発祥の地。120年以上の歴史を誇り、現在も全国有数の出荷量を誇ります。ふっくらしつつも身がしまり、脂のノリが良く、品質にばらつきがないのが自慢です。
みかんのトップ・ブランド「三ヶ日みかん」は、ミネラルを多分に含み、糖度と酸味のバランスがとれた味わいが特徴。10月〜12月の収穫期には「みかん狩り」も楽しめます。
静岡県を代表する特産品。特に遠州地方のお茶は、甘味の中に程よく渋みが利いた一級品。ゆたかな香りとコクを味わえます。