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我々が浜名湖潮干狩りに初突撃したのは、だいすき隊結成の翌月であった。気配りOLと2人組で出かけた3年前の春も大漁だったが、7人の大編成で再びアタックした今回もまた、大漁であった。しかも今回は、自称「アサリ採り一級」の名人S隊員が、もてるノウハウのすべてを隊員たちに伝授。 まだまだ続く潮干狩りシーズン。3年前に掲載したパート1と、アホ話にキラリと光る金言を散りばめたこのパート2体験記を読んで初夏の浜名湖に出かければ、あなたの“ボンゴレライフ”がよりいっそう充実すること間違いなし! |
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弁天島での潮干狩りが解禁となったゴールデンウィーク初日の4月28日。この日の干潮は午前9時半。潮干狩りは、その前後2時間が最適ということで、午前10時に弁天島海浜公園の駐車場にだいすき隊が集合したときは、すでに湖のほとりにはこの日を待ちわびた多くの潮干狩り族が。松阪 vs 松井初対決よりも、ファミリーレジャーを優先させて張り切るお父さんたちもたくさんいる。 前回のパルパルに続き、子供隊員とお母さん隊員とともに、今回も完璧な“潮干狩りルック”で参加してくれた御存知Yお父さん隊員もそのひとり。前日、左手をドアに挟んでしまい、戦闘能力が半分になってしまったお母さん隊員の分まで戦いたいと鼻息を荒くしている。 「ボンゴレスパゲッティを4人でたらふく食べられるくらい採るのが目標」と張り切っているのは、M隊員。バリバリの独身女性隊員だったが、だいすき隊に参加すると男運がグンと上昇。今春、なんとついに結婚するという快挙をなし遂げたM隊員。夜は新婚家庭にお友達を招いてのホームパーティだそうで、そのための食材調達にやってきた。 「父親が土日が休みではなかったから、子供の頃はあまり浜名湖に連れて行ってもらえなかったんだよ。だから今日はその思いの丈をぶつける」と言うのはK隊員だ。潮干狩りはなんと35年ぶり。この日に期するものは大きい。私ももちろん、大漁を狙う。目標は1週間分の動物性蛋白質の捕獲である。
それぞれ闘志を胸に漁場への渡し船に乗り込む。4ストロークのエンジンを積み、見た目のイメージを裏切るハイスピードで風を切り湖面を滑る渡し船の上で、S隊員は余裕の笑顔。「そう言えばSは貝マニアだよね。よく行ってるでしょ」と問うK隊員に「うん。俺、プロだからね。貝拾い1級の資格を持っているし。ダントツ一番先に百個とるよ。技を持っているからね」と、圧倒的な自信を見せる。「5月5日に浜名湖で潮干狩りW杯があるんだよね。今日はそのウォーミングアップなんだよね」というのは冗談だが、1級宣言はあながち嘘でもないことを、このあと他の隊員は知ることになる。 |
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漁場までは、高速艇で5分ほど。船を降りるとき、船頭さんがよく採れそうなところを教えてくれた。「あの竹がいっぱい刺さっているところの向こう側でけっこう採れてるね」。貴重な情報を得て干潟を南に進み、船頭さんがいう場所に荷物を下ろす。と言っても、干潟に乾いた場所はない。だいすき隊は用意してこなかったため仕方なく藻に覆われたところに荷物を置いたが、レジャー用のビニールシートは必携だ。 「では、だいすき杯アサリ採り大会開始!」 私の号令がかかると、みんな思い思いのところにしゃがみこみ、熊手をせっせと動かす。今日は30分1本勝負で、漁獲高を競ってもらう趣向だ。しかし、その企画は開始5分であえなく頓挫した。S隊員が断トツに早いのだ。他の隊員たちとの差はすでに歴然。とくにまだ数粒しか網に入っていないK隊員との差は、同じ人間とは思えないほど。自然、隊員たちはS隊員の周りに集まった。 「すごい、もうそんなに採れてるの?」とM隊員。「あきらかに熊手を使っていないね」とY隊員。「5本の指を使っている。すごいフィンガーテクだ」とK隊員。「いや、10本だよ。常に両手を動かしているもん」と私。その声の中央で、S師匠が極意を語りはじめた。もちろん、手は動かしながら。
「あのね。そんなに深く掘っても、アサリはいないだよ。浅いところをこうやって両手で探っていくんだけど、10本の指の動きが一緒になっちゃだめ。1本1本の指の感覚を研ぎ澄まさないといかんに。アサリが少しでも触れたらわかるようにしとかないと。要は指の腹の感覚なんだよね」。 「ううむ」と唸る一同。 「それから、アサリは必ずファミリーでいる。7人家族くらいで暮しているから、そのファミリーを探すんだよ。ひとついればすぐ近くに弟、姉、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがいるからさ」とS隊員。 「ほおおおー」と、感嘆する一同。 「アサリは核家族じゃないんだ」とM隊員。「ディンクス(古い)もいないんだね」とK隊員。「鈴木家を狙うわけだ」とY隊員。「なんで鈴木家?」と私。「いや、浜松は鈴木姓が多いからさあ」と、Y隊員。 「ぶはははは」と、笑う一同。 S隊員のアドバイスを受けて、またそれぞれの場所にしゃがみこむ。Y家族隊員は、ちょっと離れたところで順調に個数を伸ばしていく。M隊員の網も半分くらいアサリが入った。「独身時代の潮干狩りとモチベーションが違うっすよ」。これが今晩のおかずになると思うと、目の色が変わるようだ。ただ一人、K隊員だけが出遅れている。網に入ったアサリたちを、ときどき洗う仕種もプロっぽいS隊員が見かねてマンツーマン指導に乗り出した。
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「それじゃダメダメ。ひとさし指しか使っていないじゃん。」とS隊員。「盲パイか!」とY隊員がチャチャを入れる。「もっとたくさんの指で!5本全部同じ動きしてるじゃん!あ、ひとつ採れたからって網にいれちゃだめ。手のひらに7人家族全員集めてから網に入れるの!ひとつひとつ採ってたら面倒でしょ」 「僕は“一期一会”作戦だから。Sはアサリを探してるよね。僕は、出会ったら拾うって感じ。その差だな。なんだか、楽しさが見えてこないんだよね」。冷静に自己分析するK隊員。ピッチはなかなか上がらない。 「ところでさ、ボンゴレスパゲッティは、ビアンコ派?それともロッソ派?」 S隊員の「ここにゴロゴロいる」という言葉に「ゴロゴロ13」というオヤジギャグ飛ばして一人喜んでいたY隊員が、失地回復のために明るく問いかけたこの問いの答えは、みんなビアンコ。「なんだ、ケンカにならないじゃん」とがっかりするY隊員。と、「あの〜」とK隊員が切り出した。「あの〜、衝撃発言していい?」。しばし手を止める隊員たち。「あのさ〜、俺、貝ダメなんだよね。アレルギーがあるんだよ。体調が悪いとき食べるとときどきじんましんが出るの」。
「えええ−!」驚く隊員たち。 「さ、終了!」腰をたたきながら上げたS隊員の網を見れば、裂けんばかりにパンパンである。「そろそろウチも終了かな」とY隊員。S隊員が手伝ってくれて、私の網も7分ほどアサリが入った。いつも思うことだが、潮干狩りはやめ時が難しい。M隊員は「もういいよねえ」と言いながらまだ未練が残るらしく、熊手を動かしている。なんとなく、やめがたいのは理解できる。量は十分だが、今ひとつアサリたちが小粒なのだ。プロのS隊員も、網を眺めながら「まあいいか」。と、会心の笑顔とはいかないようだ。 と、そこにまたもK隊員が衝撃発言で波紋をもたらした。 「おお!ここに『華麗なる一族』がいる!北王路欣也や西田敏行も!」 「どこどこどこ?!あ、ホントだ」。 隊員たちが寄ってK隊員の手のひらをみると、今までにない大きさのアサリが3つ。「アサリ採りって、結局場所なんだね」というK隊員の言葉に、S師匠がすかさず「場所も実力のうち!」と切り返す。なんだか燃えているようだ。
「万俵家を探しに、もうひと踏ん張りするぞ!」。 自然観察などの企画にはほとんど無反応なのに、狩系やバイク系の企画だとS隊員は燃えるのである。腰痛持ちなのにも関わらず、万俵家に突き動かされたS隊員、プロの漁師さんを目ざとく見つけ、情報を入手。さらに沖にある漁場に、まずは男性隊員だけで偵察に出かけた。5分後、女性隊員たちが聞いたのは、吉報であった。 「すごいすごい。あっちには北王路欣也や西田敏行クラスがいっぱいだよ!」 新たな漁場は、確かにすごかった。体長2センチ以上のアサリがザックザク。万俵家の隣も万俵家。その隣も万俵家。一族が部落をつくっているのだ。「ああ、さっきの1時間を返せって感じ。あんなに集中したのに」とY隊員が悔しがる。「大丈夫。俺なら10分あればまた網をいっぱいにしてみせるぜ」とS隊員。なんだか、かっこいい。 「おお、仲村トオルがいた。」 最初はコーフンのあまりわけのわからないことを口々に叫んでいたが、そのうちみんな無言になった。大きなアサリを採るときとカニを食べるとき、人はみな無口になるのである。漁師さんが「アサリは藻を食べる。藻の下にはいないけど、その周りにたくさんいる」という情報もくれたおかげで、ピンポイントで万俵家の場所を探りあてるだいすき隊。大物がどんどん網に入っていく。S隊員は言葉通りのスピードを見せ、網の獲物を全取っ替え。「ああ、この俺でさえ楽しい・・・」。K隊員も笑顔だ。
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潮の満ち干きは早い。お昼過ぎ、さっきまで完全に干潟だった万俵部落が、もう水深30センチの湖の底だ。みんな少しずつ海岸に移動しながら、やがて熊手を引き上げたが、私とS隊員帰りながらも部落を掘りあてるとそこから動けなくなる。「そうやっていると貝好きのバカ夫婦に見えるよ。キミたちみたいな人が、遭難して海猿に助けられるんだな」とK隊員。その通りだろう。 隊員たちの網のなかには、一網打尽にされた万俵家アサリ。潮も心も満ちて、帰りの高速艇に乗ったら、雨がパラついてきた。初夏の細くやわらかな雨を含んだ潮風が、アサリ採りにたぎった心と体に心地良い。と、それまで湖を眺めていたK隊員が、隊員たちに向き直った。 「俺、じんましん覚悟でこのアサリ、食べるよ!」 魚介類アレルギ−を克服しようとするK隊員に、そしてそんな前向きの心を胸に芽生えさせた浜名湖に対する熱い感動のなかで、だいすき隊の第2回潮干狩り大会は幕を閉じたのだった。 |
潮干狩りの料金・お問い合わせ |
浜名湖ガーデンパークの西側でも潮干狩りが楽しめます。 【村櫛 潮干狩り料金】 潮の満ち引きが早いため、潮見表をチェックしてからのお出かけがオススメ! |



























【表浜名湖弁天島 潮干狩り料金】


