わんわんレポート
2024.02.22 ペットの暮らし

動物がただそこにいるだけで空気が和やかになったり優しくなったり☆ 犬の持つ癒し効果などについて「日本アニマルセラピー協会 浜松支部本部長」の萩原裕二さんにインタビュー🐶

 

日本アニマルセラピー協会は2007年1月に神奈川県の認証を受け神奈川県大和市に設立された特定非営利活動法人。神奈川県の統括本部のほかに各地域本部や事務局があり、浜松本部は萩原さんが代表をつとめています。

「人と犬との共生がつくる、心ゆたかな社会」を理念とし、アニマルセラピストの養成、セラピー犬の育成を行い、高齢者施設、病院、障害者施設、学校等へ訪問し、アニマルセラピー活動を行っています。

 

犬に触れて心身を癒す「アニマルセラピー」はコロナ禍でアニマルセラピストも利用施設も激減しましたが、コロナ禍を経て再び「癒しの力」が注目されています。

動物のもつ癒し効果や浜松本部の活動などについて浜松本部長・アニマルセラピストの萩原裕二さんに伺いました。

 

~セラピー犬のお仕事について聞かせてください

 

アニマルセラピストのハンドラーと一緒に高齢者福祉施設、障害者支援施設、学校、病院を訪問し、人の健康と幸せをサポートするお仕事をしています。

基本的なしつけはされていて、人が大好きな犬たちですが、心身ともに健康な状態であることを第一に考え活動しています。

アニマルセラピーは人間だけが恩恵を受けるのではなく、活動する動物たちも幸せで安全で楽しいものであってこそ、人間と動物双方の幸福が達成できるものだと考えています。

 

 

~セラピー協会の活動内容について

 

アニマルセラピストがセラピー犬とともに、さまざまな施設を訪問するアニマルセラピー活動を行う他に、「アニマルセラピスト認定資格」や「セラピー犬認定資格」も実施しています。

「セラピー犬認定」は飼い主の方が「アニマルセラピスト認定資格」を保持していることが受験要件となります。

 

愛犬がセラピー犬認定試験に合格し協会に登録していただければ皆さまもアニマルセラピストとして活動可能です。

 

セラピー犬は欧米などでは医療現場で活躍しており認知度が高いですが、日本ではまだまだセラピー犬の認知度が低く、地位が確立されていません。

セラピー犬が多くの方に受け入れられ、活動の場が広げられるような活動もしています。

 

 

~施設などでの利用者の声はいかがでしょうか

 

高齢者施設などに行くと表情が少ない高齢の方がセラピー犬に触れることで表情が和らいだり、手を動かすことが不自由な方も触ろうとして自然と動かそうとする力が出たりなど自発的に行動することが増え、無意識に生活向上のための役に立っていると施設の担当者から嬉しい言葉をいただいています。

 

言葉を発することができない犬だからこそ利用者の方が感じとってくださるようです。

 

 

福祉施設に訪問(写真上:柴犬 卑弥呼ちゃん・写真下:ゴールデンレトリバー サラちゃん)

 

~動物が持つ力について萩原さんの考えを教えてください

 

動物には不思議な力があると思っています。

動物が、ただそこに居るだけで、空気が和やかに優しくなったり、笑顔や会話が増えたり。

言葉は話せないけれども人の内面に働きかける不思議なパワーがあると信じています。

現代では、研究も進み、「幸せホルモン:絆ホルモン」といわれるオキシトシンが人間、犬の双方に分泌されることが科学的にもわかっています。

 

癒しだけでなく、生活の質の向上や維持、機能回復や学習意欲の向上、環境適用のお手伝いもできると思います。

 

 

セラピー犬 柴犬の卑弥呼ちゃん

 

~今後について聞かせてください

 

コロナ禍で約3年間、活動のメインであるドッグセラピー訪問サービスがほぼすべてストップしたこと、次に街頭での啓発活動ができなくなったことが大きなダメージでした。

収入面やセラピー犬の育成にも大きな影響がありました。

 

セラピー犬は不特定多数の方とはじめてお会いした時もしっかりと寄り添い、ふれあうことができることが必要となるため、街頭での啓発活動はトレーニング面でも大きな部分を占めています。

リモートでの活動も検討しましたが、やはりアニマルセラピーの根幹はリアルな触れ合いであるため、なかなか踏み込めませんでした。

アニマルセラピーはまだまだMustでなくbetterな認識であるため、その壁をなんとか乗り越えられるようにしていきたいです。

 

「継続は力なり」の想いで地道に、地域に根差して、ドッグセラピー訪問サービスを継続して行い、セラピー犬の育成、アニマルセラピストの養成もがんばっていきます。

セラピ-犬が「普通」に医療や福祉、教育の現場で活躍し、心の安らぎや温かさをお届けする中でセラピ-犬(動物たち)も恩恵=ベネフィットを受けられる、そんな世界になることができるよう、社会への働きかけとして、啓発活動、行政との連携、大学などのアカデミックな分野との協力を推し進めていきたいと思います。

 

街頭での募金活動の様子

 

アニマルセラピスト 萩原裕二さんから皆さまにメッセージ

写真右:アニマルセラピスト 萩原裕二さん

日本アニマルセラピー協会 浜松本部で活動するセラピー犬

アニマルセラピーは和製英語で、世界的にはアニマル・アシステッド・セラピー(動物介在療法)、アニマル・アシステッド・アクティビティ(動物介在活動)、アニマル・アシステッド・エデュケーション(動物介在教育)と分類されており、この3つすべてを総称して、日本ではアニマルセラピーと言われております。

 

この活動の主役はあくまでも動物(ここでは犬)であり、私達セラピストはそのお手伝いをする黒子役です。

私達セラピストは、犬の知識や犬をコントロールする技術はもちろんのこと、一番大切なのは私達自身がしっかりと犬達と対峙し、傾聴の心をもって、常に謙虚にセラピーに臨むことが大切だと考えます。

そうすることで、双方がハッピーなWin-Winの関係を築いていけると思います。

 

みなさまのご家庭や職場にもしワンちゃんが居たら、その子達はみなさまにとってのセラピ-犬だと思います。

どんなに仕事で疲れていたり嫌なことがあっても、みなさまを温かく迎え入れてくれる愛犬はいつでもその瞬間瞬間を精一杯生きて、裏も表もない、忖度もなく私たちを癒してくれます。その尊さに心が揺さぶられるんだと思います。動物がくれる力は本当に不思議です。それを信じてこれからも頑張りたいと思います。

 

 

特定非営利活動法人 日本アニマルセラピー協会

浜松本部 本部長 萩原裕二さん
〒433-8122 静岡県浜松市中区上島7-9-1-301
TEL:090-4188-2828

公式サイト

 

 

(文 三井忍)

(写真提供 萩原裕二さん)

(モデル・special thanks☆)赤柴の卑弥呼ちゃん・ゴールデンレトリバーのサラちゃん・ミックス犬の凛ちゃん・ミックス犬のジャック君・みんなありがとう☆