春野町に愛犬家が集う。豊かな自然の中でペットと過ごせるリバーサイドカフェ
浜松市街から車で約60分。天竜区春野町の気田川沿いにある「ザ リバーサイドカフェ」に、週末になると県内外から愛犬を連れた人が集まると聞いて、取材にお邪魔しました。
話をしてくれたのは、昨年このお店をオープンさせたオーナーのマエダケイさん。この秋春野町で開催予定のイベントや、春野町で実現させたい愛犬との暮らしについて聞きました。
愛犬と愛犬家がリラックスできる場所づくり
東京からお仕事の関係で、浜松市に引っ越してきたマエダさん。
一緒に暮らす愛犬のラブラドール・レトリーバーが、浜松市内でもっとも喜んだのは、浜松山間地域を流れる清流での川遊びでした。
『レトリーバー:獲物を回収する』という名前の通り、猟犬として知られるこの犬種は、水かきがあるのが特徴で、水遊びが大好きなのだそうです。
「浜松市は、1,000世帯あたりの犬の登録頭数が全国の政令指定都市で最も多いのに、犬と快適に過ごせる場所が思いのほか市内に少ない。」と、疑問に感じていたマエダさんは、気田川沿いの自然に囲まれたロケーションの中に、愛犬と過ごせる場所をつくることを思い立ち、海外で暮らした経験を活かしたアメリカンテイストなカフェを昨年オープンさせました。
ドッグフェスで春野町に新しい人の流れ
愛犬も喜ぶ、愛犬家も喜ぶカフェとして、ザ リバーサイドカフェに訪れる人が増える中、過疎化の進む春野町にもっと人の流れを生み出せないかと、この秋企画されたのが「THE NUDGE」というイベントです。
『ドッグ×アート×エシカル』をテーマに2日間にわたって開催されるイベントで、初日は、レトリーバー愛犬家が日本全国から集合するレトリーバーホリデーが行われます。(200組限定のチケットはすでに完売)
2日目は全犬種対応の2500㎡特設ドッグランや、愛犬との撮影会が予定されています。
両日通じて、春野町に点在する田畑を活用したアートエキシビジョンや、環境・人・社会に配慮した消費活動を推奨するエシカルエエもんマーケットなどコンテンツが盛りだくさん。
アユの塩焼きをはじめ、地元のキッチンカーや物販の出店を楽しみに来場する方も多いそうです。
このイベントは、浜松市民提案による住みやすい地域づくり事業にも採択されていて、キャンピングカーで愛犬と浜松に遊びに来る方や、キャンプ泊を予定されている方など、春野町にこれまでになかった人の流れが生まれることに期待が高まります。
エシカル飼育で、もっと犬と暮らしやすい浜松を
マエダさんから、カフェやイベントの話を伺うなかで、度々キーワードとして挙げられたのが『エシカル:倫理的な』という言葉。
「動物を人間のように扱うのではなく、各動物が持つ動物らしいニーズを満たしてあげるのが動物愛護に通じる。」
と、犬との関わりについて、軸となる想いを話してくれました。
浜松に犬と快適に過ごせる場所が少ない理由のひとつに、動物愛護に対する考え方や、浜松の愛犬家マナーが関係しているのではないか、とエシカル飼育の重要性を説きます。
愛犬のアフタートイレマナーや、犬である本能を広い場所や水遊びで満たすこと。愛犬にストレスを与えない飼育環境など、まだまだ愛犬家に出来ることは多いと言います。
イベントに向けて、地元の子ども達に協力してもらいトイレマナーの啓蒙をすすめたり、地球環境や地域に配慮した商品を推奨したりと、具体的な取り組みを計画・実行中です。
ザ リバーサイドカフェを起点に取り組む地方創生
取材の最後に、今後について伺うと「今後は、犬と泊まれる場所を春野町に増やしたい」と展望を語ってくれました。
愛犬と遠方から春野町に来てくれた人をおもてなしするために、大型犬と泊まれるキャンプ場や、古民家をリノベーションしたゲストハウスづくりにも意欲的です。
週末を、自然に囲まれた春野町で愛犬と過ごす『別宅サブスク』のような仕組みが出来たら、新たな地方創生として面白いのではないかと、次々アイデアが溢れます。
「いつか春野町が愛犬家の聖地と呼ばれるようにしたい。」マエダさんのチャレンジはつづきます。
■『THE NUDGE』
日時:2022年10月1日、2日
会場:春野ふれあい公園 他
詳細情報
■The Riverside Cafe ザ リバーサイド カフェ
静岡県浜松市天竜区春野町堀之内729
TEL 090-3491-9218
インスタグラム https://www.instagram.com/the_riverside_cafe_2021/
(文・写真)浜松・浜名湖観光ライター ジャンク板村
(写真)ザ リバーサイドカフェ 提供