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毎年秋に浜北区の万葉の森公園で行われる「浜北万葉まつり」に、海の湖HAMANAジェンヌが特別出演! 奈良時代の貴族衣装で登場した3人のジェンヌは観客を魅了しました。
今回は彼女たちが雅な姿に変身する様子をまじえ、浜北万葉まつりのメイン「曲水の宴」や、万葉歌の朗唱にチャレンジした様子をお届けします。
会場へ向かう沙耶ジェンヌと杏奈ジェンヌ。もうひとりはお楽しみに。
目次
曲水庭園
浜松市浜北区にある万葉の森公園は、日本最古の和歌集『万葉集』に詠まれた約300種類の植物を見ることができる万葉の森を中心とした、みどり豊かな公園です。
万葉集に収録されている和歌は、今からおよそ1,200~1,300年ほど前の飛鳥~奈良時代にかけて詠まれた歌で、その数はなんと4,500首以上! この中で浜北ゆかりの歌は4首あり、園内には2、3首のみ、浜北区内には4首すべての石碑があります。
紅花(6月撮影)
園内には万葉集や万葉時代(飛鳥~奈良時代)に生きた人々の暮らし等に関する資料を展示している万葉資料館のほか、伎倍 の工房、万葉亭などの体験施設や水が流れる曲水庭園などがあります。
伎倍の工房では紅花や茜、桜など万葉植物を使った草木染め等の体験が楽しめます。2021年に高橋ジェンヌと遊佐ジェンヌの2人が紅花染め体験をしました。
紅花の花色は、ご覧のように山吹色~濃いオレンジ色。この花色からどんな色に染まるのか気になりませんか?
草木染め体験の様子はYouTubeチャンネル「ジェンヌちゃんねる」にて紹介中です▼
万葉食「初夏の膳」
万葉時代の食事内容を再現した万葉食が味わえる万葉亭も人気です。
上の写真は筆者が万葉食作りのワークショップで作った「初夏の膳」。牛乳をひたすら煮詰めて作った蘇(古代のチーズ)やツユクサの天ぷら、万葉集に詠まれている鯛の醤酢などをいただきました。
高橋ジェンヌと沙耶ジェンヌは「秋の膳」を手作り&実食! その時の様子はYouTubeチャンネル「ジェンヌちゃんねる」で紹介中です。ぜひ、ご覧ください。
万葉食体験の様子はYouTubeチャンネル「ジェンヌちゃんねる」にて紹介中です▼
2022年の浜北万葉まつりは10月29日(土曜日)開催
「ところで『浜北万葉まつり』って、どんな祭りなの?」と思う方もいますよね。
浜北万葉まつりは、奈良時代の最盛期・天平時代の衣装を着て、万葉歌の朗唱やトーク、蹴鞠(けまり)パフォーマンス、子ども万葉コンサートなど、万葉集の時代を身近に感じることができるイベントです。
まつりのメインは奈良・平安時代には貴族の遊びとして春の宮廷行事だった曲水の宴です。
これは簡単に云うと曲水庭園の池に盃を流し、池のふちに座った出席者が即興で歌を詠むもので、万葉の森公園ではまつりに合わせて秋に行います。
間近で天平絵巻が再現されることから、人気のイベントなんですよ。
浜北万葉まつりは2022年で27回目。旧浜松市と合併する前の浜北市の頃から続くイベントです。当日の天気は快晴で、青い空に紫白赤黄緑の五色の式典幕が映え、絶好のまつり日和!
池の手前の石碑には、浜北ゆかりの万葉歌の1首が万葉仮名で刻まれています。
“わが妻は いたく恋ひらし 飲む水に 影さへ見へて 世に忘られず”(若倭部身麻呂 )巻20-4322
これは作者が北九州の警護を担当する防人 として、自宅から遠く離れた任地へ赴く途中で詠んだ歌です。
池のふちには曲水の宴への参加者が座る席も用意されていました。ジェンヌがどの席に座るのか楽しみですね。
今回、浜北万葉まつりで奈良時代の貴族に変身するのは沙耶ジェンヌと、若奈ジェンヌ、杏奈ジェンヌ姉妹の3人です。若奈ジェンヌは髪をツインテール風に結って控室入りしました。
ここからはジェンヌたちの着替え風景を少~しだけご紹介。3人はいったいどのような姿になるのでしょうか!?
まずは沙耶ジェンヌから。
内衣の上に表着を重ね、袴を穿いたらその上にスカート…ではなくて、裳を着けます。裳は紕帯と呼ばれる幅の広い帯で締め、帯の端は左右に垂らします。表着に付いている白い模様が華やかですね。
髪型は頭上で髪をお団子のように2つ結う双髻です。普段とは違う髪型で沙耶ジェンヌの魅力がさらにアップ!
沙耶ジェンヌの隣では、若奈ジェンヌの着替えも着々と進んでいました。
光沢のある表着の上に袖のない背子を着け、紕帯で裳を締めます。髪にはキラキラとした飾りや、ピーズなどで作ったヘアアクセサリーを付けました。
うん、可愛いっっ。
控室の入口付近では杏奈ジェンヌが着替えを。
光沢のある表着の上に背子を着付けるところまでは若奈ジェンヌと同じですが、おや? 背子の模様がなんだかゴージャス…!
よく見れば紕帯の質感や色模様も異なります。髪型もなんとなく落ち着いた感じ?
その理由は3人の役どころが異なるから。
「お姉ちゃんは内親王(天皇の皇女や姉妹で内親王宣下を受けた者)で、私はお姉ちゃんに仕える女官なんだって」と、若奈ジェンヌ。
さらに同じ女官でも、沙耶ジェンヌと若奈ジェンヌの役どころも違うようでした。同じ女官なのに、役どころが違うって何!? それは見てのお楽しみ♪
お待たせいたしましたっっ。奈良時代の貴族衣装姿をしたジェンヌ3人の登場です!!
秋の日差しの中、緊張と楽しみとが入り混じったような表情を浮かべるジェンヌたち。3人は曲水の宴と、その後に行われる万葉歌朗唱に出演します。
ジェンヌが園内に現れた時間、ちょうど多目的広場では、地元・浜名中学校サッカー部の部員たちによる蹴鞠パフォーマンスが行われていました。
その様子を見た観客は大喜び。普段とは服装も蹴る対象も違うので、難しかっただろうなあ。
蹴鞠パフォーマンスが終わると、次はいよいよ曲水の宴。午後1時になると、開門を告げる太鼓の音が響きました。
行列の先頭を歩くのは宴の催主です。そしてその次は手に花を持つ沙耶ジェンヌが。彼女の後ろにいる黄色い衣装の方は天皇役なので、女官とはいえ沙耶ジェンヌの役どころはかなり重要。
内親王役の杏奈ジェンヌの後ろには、彼女に仕える女官役の若奈ジェンヌが続きます。杏奈ジェンヌの真っすぐ前を見据え伸びた背筋からは、内親王の気品が感じられました。
四阿前に揃った出席者たちは、順次、曲水庭園のふちに設けられた席へ向かいます。半分以上池に張り出している席もありますが、さて、ジェンヌたちはどこに座るのでしょうか。
左上と右上:杏奈ジェンヌと若奈ジェンヌは席が隣同士、左下:沙耶ジェンヌは一番左奥に、右下:行列中に撒かれた散華には大吉の文字!
座るのが不安そうだった杏奈ジェンヌですが、若奈ジェンヌと隣同士だったからなのか、少し安心した様子でした。
沙耶ジェンヌはというと、観客側から見て一番左奥で催主の隣に座っていました。
奈良時代の歌人に扮した出演者たちが揃うと、いよいよ曲水の宴の始まりです。
催主のもとから流れてくる盃を、先端に金具の付いた竹竿で引き寄せるのは童子役の子どもたち。詠まれた歌は、四阿前に待機している担当者が琵琶を弾きながら朗唱してくれます。
この時に詠んだ歌(『このケーキ やめようかいや 食べたいな 体重気になる 食欲の秋』)が会場を笑いの渦に巻き込んだジェンヌが!
それが誰なのか気になる方は、YouTubeチャンネル「ジェンヌちゃんねる」をご覧くださいね。
YouTubeチャンネル「ジェンヌちゃんねる」では、万葉の森まつりの様子を紹介中です▼
ちなみに残る2人が詠んだ歌は
『継ぎ目ない 一枚の空が青すぎて ただただ見上げる コスモスの花』
『艶やかな 衣装をまとう 宴なり うつつ世忘れ われはみやびと』
です。三者三様、それぞれの個性が光る歌ですね。
曲水の宴の後は参加者揃って記念撮影をしたり、ジェンヌだけの写真撮影に応じたり。休む暇もなく午後2時から万葉歌の朗唱に臨みます。
朗唱場所は曲水庭園の四阿前。3人はそれぞれマイクの前に立ち、ひとりずつ用意された万葉歌をにこやかに微笑みながら披露しました。
澄んでいてよく響き落ち着いた声は、聴いていてうっとり。きっと練習を重ねたんだろうなあ。
すべての出演を終えると、ジェンヌに安堵の笑みが浮かびました。
「せっかくだから」と、控室へ戻る前に後ろ姿やシルエットの記念撮影も。
「こんな素敵な衣装を着せさていただいて嬉しいです」と若奈ジェンヌ。その隣の沙耶ジェンヌは「(女官役なので)姫じゃないけど、姫な感じでした」と。でも嬉しそう。
うんうん。お二人とも、十二分に美しいです。
内親王役の杏奈ジェンヌは、「曲水の宴で会場全体が爆笑した時に、笑いをこらえるのに必死でした」。
うんうん。あの歌は浜北万葉まつりの歴史に残る名歌だと思います。
奈良時代の貴族衣装で会場入りしてから2時間近く、ずっと慣れない服装でお疲れさまでした。そして、浜北万葉まつりへ訪れた人々に、奈良時代を感じさせてくれてありがとうございます。
もうね、本っっ当に、眼福でした。
控室へ向かう3人の姿&気が付いて振り返ってくれました
全国各地で曲水の宴を再現しているイベントはありますが、それらの殆んどは平安時代の衣装で行われています。
奈良時代の衣装で行われる曲水の宴は、とても珍しいんですよ。
美しく麗しく、艶やかに。
万葉の森公園で開催される浜北万葉まつりで、ぜひ天平絵巻をご覧くださいね。
万葉の森公園の公式サイト(外部リンク)
取材日:2022.10.29
海の湖HAMANAジェンヌ:河村沙耶、溝垣杏奈、溝垣若奈
(文・写真:麻生のりこ)
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