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浜松市天竜区北西部の道の駅「くんま水車の里」は、一年を通して自然やグルメ、手作り体験が満喫できる人気スポットです。
店内で接客を担当しているのは、地元・熊地区のかあさんたち。その接客の温かさや雰囲気等から、2022年9月に「所JAPANローカルな道の駅グランプリ」で見事優勝しました。
今回はくんま水車の里の見どころや、楽しみ方をご案内します。
目次
浜松市中心部から北西へ約40キロ。道の駅「くんま水車の里」は、のどかな山合いにあります。浜松市内3ヶ所の道の駅の中で、一番北に位置しています。
目印は「ム月ハヒヒハ / かあさんの店」と書かれた大きな看板です。これは「熊」の字を分解したものなんですよ。いつの頃からか、「熊」と書いて「くんま」と読むようになりました。
くんま水車の里が道の駅に認定されたのは1995(平成7)年ですが、1980年代後半にはすでに活動を開始していました。
上の写真は里内の中心的存在「かあさんの店」です。
こちらでは手打ち蕎麦や鹿肉のカレーなどが味わえます。メニュー内容はのちほど紹介するのでお楽しみに。
このほか敷地内には物産店「ぶらっと」や、蕎麦打ち体験などができる「ふれあいの家」、トイレ、水車小屋、味噌・漬け物とこんにゃく加工施設があります。
水車小屋は「かあさんの店」から階段を下りたところに。
水車の原動力は近くにある沢の水です。 それをここまで引き込み、水圧と高低差を利用して回しています(2022年10月現在は故障のため回っていません)。
水車小屋のそばの池には金魚や大きな錦鯉の姿も。
くんま水車の里で過ごす一番人気は、なんといっても川遊び!
里の建物裏側を流れる阿多古(あたご)川の透明度は高く、2008(平成20年)年に「平成の名水百選」に選ばれました。 「昭和の名水百選」と合わせても、静岡県西部エリアでは唯一の河川です。
熊地区は阿多古川の源流部。 そのため、この辺りの川幅はそれほど広くなく水深も浅めです。川遊びをしたい場合は、護岸された階段を下りて岸辺へ。
嬉しいことにお弁当の持ち込みOK。水遊びはもちろん、川魚を観察したり小石を除けてサワガニを探したり。豊かな自然のなか、身体中でくんまを満喫!
そうそう。帰宅時にはゴミの持ち帰りをお忘れなく。また、阿多古川はくんま水車の里の管理施設ではないので、ルールを守って過ごしてくださいね。
駐車場脇にある「ふれあいの家」では、蕎麦打ちや五平餅作り、こんにゃく作り体験ができます。
●蕎麦打ち体験●
自分の手で打つ蕎麦の味は格別。かあさんたちが丁寧に教えてくれるので、初心者でも大丈夫です。気になる方は気軽にLet’s try!
●五平餅作り体験●
中部地方の山間部に共通した郷土料理といえば五平餅! とはいえ、形や味噌ダレの味は、それぞれの地方で異なります。
熊を含む浜松市の山間部で一般的な形と味は、扁平な楕円形に味噌ダレをつけたもの。「ふれあいの家」で作るのもこの形です。
多少形が崩れたとしても、それも思い出。五平餅を手作りしてみませんか?
※上記の基本的な五平餅作りのほか、3種類の味×自分で好きな形に成形×トッピングが楽しめる、オリジナリティを尊重した五平餅作り体験も人気です
●こんにゃく作り体験●
10月から翌年3月頃までは、こんにゃく芋を使用したこんにゃく作り体験も可能です。
こんにゃく芋から、どうやってこんにゃくを作るのか。そもそも「こんにゃく芋」がどんな芋なのか。
気になる方もならない方も、こんにゃく芋から作る本物のこんにゃくの味は絶品! ぜひ味わってみて!
なお、手作り体験はすべて有料・事前電話予約制です。詳しくは公式サイトをご覧ください。
道の駅 くんま水車の里の公式サイト(外部リンク)
お腹が空いたら「かあさんの店」へどうぞ。
木のぬくもりをふんだんに感じることができる店内では、手作り蕎麦やご当地カレーなどが味わえます。
上の写真は、里内で作った手打ち蕎麦がメインの「天ざる」です。ざるそばと天ぷらの盛り合わせ、小鉢、甘味がセットになっています。
熊産のマイタケを中心にした天ぷらは、どれも揚げたて。噛めばさくっ! と音が聞こえるほど。季節の野菜もふんだんです。
ご当地カレーの素材はなんと鹿肉! 天竜では山間部に生息し農作物を食い荒らす鹿(シカ)や猪(イノシシ)を適切に駆除した後、ジビエ料理として食べています。
「鹿肉って臭くないの!?」との心配はご無用。じっくり煮込んでいることもあり、臭み等はいっさい感じることなく美味しく食べることができました。鹿肉カレーも小鉢と甘味付きです。
店内が混雑している時や、気候の穏やかな時にはテラス席がお勧めです。
くんま水車の里では四季折々の風景や体験が楽しめます。
●春●
ミツマタや江戸彼岸桜などの花を観賞できます。里を含む周辺地域では、つくし、カタクリ、セリをはじめ、リュウキンカやびわの花も咲き、里へ春の訪れを告げます。
原木椎茸(シイタケ)の収穫はこの時期に。原木椎茸の収穫は年2回です。
●初夏~夏●
初夏には鯉のぼりや遊歩道いっぱいに咲くオルレアの白い花が、訪問者の目を和ませてくれます。
夏は阿多古川での川遊び!
●秋●
春から約半年。秋になると原木椎茸の収穫が行われます。10月からは、こんにゃく作り体験がスタート。
11月中旬過ぎからは、里内を含め周囲の山々が紅葉や銀杏の黄葉に染まります。垣根として植えられているドウダンツツジが真っ赤に色づく様子は、それはそれは鮮やか!
●冬●
浜松の平野部では滅多に見られない雪景色も、熊では見る確率が高まります。道路の凍結には充分注意して、お越しくださいね。
物産店「ぶらっと」は、「かあさんの店」と「ふれあいの家」間の先に。
店内には里内で作られた加工食品のほか、熊地区やその周辺で作られた手作り品などが並びます。
出入り口付近には、熊産の乾燥椎茸や天竜産茶葉から作った和紅茶、舞茸ご飯の素などが。乾燥椎茸はもちろん原木椎茸です。筆者は自宅用に購入しました。天竜産の原木椎茸って美味しいんですよね。
冷蔵ショーケースに並ぶ漬け物は、くんま水車の里で加工したものです。昔懐かしい、かあさんの味をご賞味あれ。
そばマドレーヌと、鹿肉カレーやシチューのレトルト品も人気です。
手作り品コーナーは店内なかほどから奥にかけて。実用的なコースターや防虫効果が期待できそうなフックのほか、かつて稲作で使用していた唐箕(とうみ)や脱穀機を再現したものも。
ドライブ途中で何か食べたくなったら、五平餅またはソフトクリームはいかが? それぞれ「ぶらっと」の出入り口脇で販売しています。
ただし、五平餅は土日祝日限定発売で各日売り切れご免。当たり付きです。そしてソフトクリームの販売期間は3月から12月初旬にかけて。季節によって異なる味を楽しめます。
8月初旬から約1カ月間は、かき氷の販売もしています。
●アクセス方法・自動車の場合●
アクセス方法ですが、自動車の場合は新東名高速道路「浜松浜北」ICを降りてから向かうのがお勧めです。
ICで降りたら「中瀬大平」交差点を左折し、最初の交差点を右折して静岡県道45号線(通称・笠井街道)へ合流します。
そのまま道なりに進み、天竜浜名湖鉄道の高架橋をくぐったら、すぐに現れる「鹿島坂下」交差点を右折し、国道362号線へ。その後、天竜川に架かる鹿島橋の直前にある「鹿島橋」交差点を左折します。
ここまで来たら、あとはもう、静岡県道9号線(天竜東栄線)を道なりに北上するだけです。
(新東名高速道路「浜松いなさ北」ICで降り、渋川を経由する方法もありますが、こちらはカーブの連続なので、お勧めできません)
●アクセス方法・公共交通機関を利用する場合●
公共交通機関を利用する場合ですが、路線バスは走っていないため、デマンド式(事前予約式)の「天竜ふれあいバス」を利用願います。予約時には往復分してくださいね。
浜松市市役所・天竜ふれあいバス(熊・大白木線)(外部リンク)
「熊」と書いて「くんま」と読む。
ほっこりと温かな、くんま水車の里で楽しい一日を!
道の駅 くんま水車の里の公式サイト(外部リンク)
(文・写真:麻生のりこ)
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