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【旅籠紀伊国屋資料館】江戸時代へタイムスリップ!東海道の歴史を体感|湖西市新居町

2026.03.30

静岡県湖⻄市新居町。特別史跡新居関跡がある宿場町に、江⼾時代の旅⼈たちが利⽤した建物があります。

 

それが「旅籠紀伊国屋資料館(以下:紀伊国屋)」です。

 

新居関跡から⻄へ歩いてすぐ、⾵情ある街道沿いに建つこの資料館は、江⼾時代から昭和にかけて約250年間続いた旅籠の建物を活⽤した貴重な施設です。

 

今回は、特別史跡新居関跡と共に訪れることで、東海道の歴史をより深く知ることができる、湖⻄市の必⾒スポット「紀伊国屋」をご紹介します。

 

 

旅篭紀伊国屋資料館とはどんな場所?

 

 

紀伊国屋は、江⼾時代に「旅籠」として営業していた建物です。

 

※旅籠とは、旅館のことで、⾷事と宿泊を提供する施設を指します。

 

旅籠屋を始めた時期は定かではありませんが、元禄16(1703)年には、すでに旅籠屋を営み、昭和35(1960)年頃まで実際に旅館として営業を続けていました。

 

現在の建物は、明治7(1874)年の⼤⽕後に2階建てに建替えられた建物を、江⼾時代後期の建築様式を随所に残す建物として、平成13(2001)年に再生整備したものです。

 

2002(平成14)年には当時の旅籠の構造を伝える貴重な⽂化財として、市の指定有形文化財にもなっています。

 

紀伊国屋は、ただの宿ではありませんでした。

 

徳川御三家の1つである紀州(和歌⼭県)出⾝の疋田家が代々経営し、元禄16年(1703)には紀州藩の「御用宿」となっています。

 

正徳6(1716)年に「紀伊国屋」の屋号を掲げることを許され、享保17(1732)年には帯刀御免、延享2(1745)年には五人扶持を認められるなど、旅籠としての地位を確立しています。

 

そのため、紀州藩だけでなく、20以上の大名家からも御用宿に指定され、大名家の家臣や一般旅人を独占的に宿泊させ、新居宿の中でも最大規模の旅籠として栄えました。

 

現在、館内は資料館として公開されており、当時の帳場や台所、客室などが展示されています。

 

また、旅⼈の⽇記や宿帳、当時の⾷事サンプルなどが展⽰されており、⽂献だけでは分からない「リアルな江⼾の旅」 を知ることができます。

 

新居関所とセットで訪れる観光客が多く、歴史好きはもちろん、建築や⾷⽂化に興味がある⽅にも⼈気のスポットです。

 

 

旅篭紀伊国屋の見どころ

 

ここからは、当時の雰囲気を味わえる紀伊国屋の3つの見どころについて、詳しくご紹介します。

 

見どころ① 建築美と空間体験!江戸の宿屋の雰囲気

 

 

建物そのものが持つ独特の雰囲気と建築美も⾒どころの1つです。

 

街道に⾯した⼊り⼝をくぐると、まず⽬に⼊るのが広々とした⼟間と、板の間と呼ばれる板敷きの空間です。

 

かつてここで多くの旅⼈たちが荷物を下ろし、旅の足の汚れを落としたり、出立の準備をしていたりしたのでしょう。

 

帳場には、当時の宿帳や算盤が置かれ、当時の様⼦が再現されています。

 

 

また、特徴的なのが2階へと続く急な階段です。

 

現代の住宅では⾒られないほどの急勾配は、スペースを有効活⽤するための当時の知恵でした。

 

⼿すりを使って上がると、襖で仕切られた客室が広がっています。

 

低い天井や⾏灯のほのかな灯り、正面のはね出し2階の縁など、2階部分は大正時代に撮影された写真をもとに忠実に復原されています。

 

窓から⾒下ろす旧東海道の町並みなど、当時の⼈々がどのような空間で体を休めていたのか、そのスケール感を現存する建物で体感できるのが⼤きな魅⼒です。

 

見どころ② 「うなぎ」も登場!目で見る江戸のグルメと旅事情

 

 

2つ⽬の魅⼒は、当時の⾷や旅のスタイルに関する展⽰です。

 

旅の楽しみである⾷事について、紀伊国屋では当時提供されていた⼣⾷のメニューが精巧なサンプルで再現されています。

 

新居宿は浜名湖に⾯しているため、当時から海の幸に恵まれていました。

 

展⽰されている献⽴には、ご飯や汁物に加えて、煮⿂や刺⾝などが並んでいます。 中でも注⽬なのが、浜名湖名物の「うなぎ」です。

 

新居宿はうなぎの蒲焼焼きが有名で、十辺舎一句の「東海道中膝栗毛」にも登場します。

 

紀伊国屋の蒲焼きは、特に有名で旅日記などにもしばしば記されており、その味を生んだ当時の蒲焼のタレを蓄えた甕が展示されています。

 

底にタレの残りかすがあるので、じっくり見て、味を想像してみましょう。

 

見どころ③ 新居関所と共に生きた宿

 

3つ⽬の魅⼒は、この宿が「新居関所」と共に歴史を刻んできたという背景です。

 

新居関所は、箱根と並んで東海道で最も厳しい取り調べが⾏われた場所として知られています。

 

そして関所改めを受けたのち、新居関所構内から出航する今切渡船で浜名湖を渡る必要がありました。

 

紀伊国屋は、宿泊客のために今切渡船の乗船案内や、関所の取り調べに先立って関所手形を吟味する権利を持っていた「船割宿」でもありました。

 

そのため、基本的に紀伊国屋に宿泊する旅人は、翌日の開門時間に備えて前泊する人がほとんどでした。

 

それだけではなく、関所を通過した後も船で浜名湖を渡らなければならないことから、天候による船の⽋航などを常に気にする必要がありました。

 

紀伊国屋は、そんな旅⼈たちの「待機場所」としても役割も果たしていたのです。

 

例えば、⼣⽅に関所に到着して閉⾨時間を過ぎてしまった⼈や、浜名湖が荒れて渡し船が出ない「⾵待ち」 をする⼈々が、この宿を利⽤したでしょう。

 

旅人気分で、のんびり紀伊国屋で時間を過ごす、そんな過ごし方も江戸時代の追体験におすすめです。

 

 

旅篭紀伊国屋 施設情報

 

住所:静岡県湖西市新居町新居1280-1

時間:9:00から16:30

入館料

・紀伊国屋資料館

 大人:210円(団体:150円)

 小・中学生:100円(団体:50円)

・紀伊国屋・新居関所共通券

 大人:500円(団体:470円)

 小・中学生:200円(団体:150円)

・年間パスポート(関所および紀伊国屋に入館可能)

 大人:1,000円

 小・中学生:500円

 

【ご利用案内・注意事項】

団体料金について: 20名様以上のご利用で適用されます(上記の「団体」料金)。

 

年間パスポートのご購入と有効期限: ご購入日から1年間有効です。関所史料館の受付にて、ご本人確認書類(運転免許証など)をご提示のうえお買い求めください。

 

入館料の免除について: 障がいをお持ちの方は、受付にて証明書(障害者手帳など)をご提示いただくと入館料が免除(無料)となります。

 

休館日:月曜日(祝日の場合は振替なしで開館)、年末年始(12月26日~1月2日)、8月は無休

 

 

旅篭紀伊国屋の混雑情報 

無料開放される日には通常よりも多くのお客様が訪れ、館内が混雑いたします。

 

 

旅篭紀伊国屋の設備・サービス情報

・男女トイレあり

 ※多目的トイレはありません

 

 

旅篭紀伊国屋周辺の飲食スポット

紀伊国屋周辺には、家族でもカップルでも一人でもおすすめの飲食店があります。

 

・カフェロンポワン

・Rivet

・味楽酒房 豊千

 

ぜひ、紀伊国屋に訪れる際は、周辺飲食店もあわせてお楽しみください!

 

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まとめ

今回は、湖西市新居町に残る「旅篭紀伊国屋資料館」の魅力をご紹介しました。

 

歴史を感じる重厚な建築、再現された食事から見る江戸の食文化、そして関所のそばで旅人を支え続けた宿の歴史。

 

ここは、教科書だけでは分からない「当時の空気感」に出会える場所です。

 

すぐ近くにある「新居関所史料館」とは共通券も販売されており、両方を合わせて巡るのがおすすめです。

 

関所と旅篭、この2つを通して東海道の歴史をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

【取材・文・写真】佐藤 拓真

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