徳川家康ゆかりの地として知られる浜松城は、出世城の愛称で親しまれる浜松を代表する観光スポットです。
市街地の中心にありながら、豊かな緑に囲まれた浜松城公園とともに、四季折々の自然を楽しめるのが魅力。
天守閣からは浜松市街や遠く富士山を望む絶景が広がり、館内では家康や浜松城の歴史に触れる展示も充実しています。
今回は、浜松城と浜松城公園の歴史や見どころ、散策の所要時間、施設情報などを詳しくご紹介します。
初めて訪れる方もリピーターの方も、ぜひ散策の参考にしてみてください。
目次
浜松市の中心部、浜松駅から徒歩約20分の場所に位置する浜松城は、戦国時代に徳川家康が築いた城として知られています。
現在は「浜松城公園」として整備され、歴史と自然が調和した人気の観光スポット。
天守閣や石垣など、往時の面影を残す見どころが点在しています。
浜松城の始まりは、1570年(元亀元年)に徳川家康がこの地へ拠点を移し、引間城を改修して「浜松城」と名付けたことに始まります。
家康は29歳から45歳までの17年間をこの城で過ごし、のちに天下を取るための礎を築きました。
この浜松時代は、武田信玄との三方ヶ原の戦い(1572年)での大敗や、嫡男・信康の切腹など、家康にとって試練の連続の時期でした。
しかし、その苦難を糧に、政治・軍略の両面で大きく成長したと伝えられています。この経験こそが、後の天下統一へとつながる重要な転機となりました。
また、家康のもとで政治や軍務を学んだ多くの家臣が、のちに幕府の要職に就いたことから、浜松城は「出世城」の名で親しまれています。
江戸時代に入ると、譜代大名の居城として浜松藩が置かれ、井伊氏や松平氏、酒井氏などの名門が城主を務めました。
藩政の中心地として城下町が整備され、現在の浜松市街地の基盤がこの時期に形成されていきます。
明治維新後に一度取り壊されましたが、1958年(昭和33年)に再建されました。現在の天守閣は家康の足跡を伝える資料館として一般公開されています。
また、城跡は浜松市指定史跡に登録され、地域の歴史遺産として大切に保存されています。
現在の浜松城は、天守閣を中心とした「浜松城公園」として整備されています。
公園の開設は1950年(昭和25年)、その後1977年(昭和52年)に「昭和天皇在位50年記念公園」として再整備されました。
園内には日本庭園やせせらぎの池、芝生広場が広がり、春には約330本の桜が咲き誇ります。
季節ごとに紅葉や新緑も楽しめ、散策や写真撮影に訪れる人も多く見られる人気のスポットです。
街中にありながら豊かな自然を感じられる浜松城公園は、観光客はもちろん、地元の人々にとっても憩いの場となっています。
浜松城には、歴史を感じる展示から市街地を一望できる展望台、お土産品まで見どころがたくさんあります。
ここでは、訪れる前にチェックしておきたい主要スポットをご紹介します。
浜松城公園に到着したら、まず訪れたいのは「浜松城 天守閣」。天守閣の1階・2階は、歴史資料館として一般公開されています。
浜松城天守閣の地下1階〜2階は、歴史資料館として一般公開されています。
2021年1月にリニューアルした館内は、展示内容や照明演出が一新。より見やすく、臨場感のある展示空間へと生まれ変わりました。
等身大の3D徳川家康公像も、迫力があり見応え◎
館内には、徳川家康ゆかりの甲冑や具足の複製、合戦の様子を再現した映像、浜松城と城下町の変遷を表したジオラマなどが展示されています。
家康がこの地で過ごした時代の背景や、城の構造をわかりやすく学べる内容となっており、歴史ファンにも人気です。
また、浜松観光ボランティアガイドによる案内も実施されており、初めて訪れる方でも理解しやすく浜松城の魅力を体感できます。
展示を見終えたあとは、階段を上って展望フロアへ向かいましょう。
天守閣の最上階に上がると、まず目に入るのが天井一面に描かれた歴代城主の家紋。
浜松城を受け継いだ名だたる城主たちの系譜を感じながら、展望台へと足を進めると、そこには圧巻の景色が広がります。
展望台からは浜松市街を一望できるほか、北に三方ヶ原古戦場、南に遠州灘、西に浜名湖、そして晴れた日には東に富士山までを望むことができます。
まさに360度のパノラマが広がり、歴史と自然が交差する浜松の地を実感できる場所です。
家康がこの地を見渡していたかもしれない。そんな想像を誘う展望台は、季節ごとに違った魅力を見せます。
春は桜、夏は鮮やかな緑、秋は紅葉、冬は澄み渡る空気と遠景の富士。
四季折々の風景が楽しめるこの展望台は、写真撮影にも人気で、浜松城を訪れたらぜひ立ち寄りたいスポットです。
天守閣1階には売店があり、お土産にぴったりなオリジナルグッズなどが販売されています。
中でも注目を集めているのが、浜松城限定の「御城印(ごじょういん)」。訪問の記念として購入する観光客も多く、浜松城を訪れた証として人気があります。
季節やイベントに合わせて限定デザインが登場することもあり、コレクションとして集めるファンもいます。
天守閣の中で展示を見終えたあとは、外に出て天守周辺を歩きながら、石垣をじっくり観察してみましょう。
浜松城の石垣は、自然の石をほとんど加工せずに積み上げた「野面積み(のづらづみ)」と呼ばれる工法で築かれています。
一見すると石と石の間にすき間が多く見えますが、内部には小石や砂利が詰められており、水はけがよく、強度の高い構造になっています。
大小さまざまな石が自然の形を生かして組み合わされており、荒々しさの中にも職人の技が感じられます。
築城から450年以上の時を経た今も、浜松城の石垣は往時の姿を静かに伝えています。
天守閣の周囲に広がる浜松城公園は、四季の移ろいを感じながら散策できる市民と観光客の憩いの場です。
約270本のソメイヨシノが植えられており、春には天守閣を包み込むように咲き誇ります。桜の季節にはライトアップも行われ、夜桜を楽しむ人々で賑わいます。
夏は深緑に包まれ、木陰で涼む人の姿も。秋には紅葉が石垣や天守を彩り、冬は澄んだ空気のなかで静かに佇む城の姿を楽しめます。
季節ごとに表情を変える景色は、何度訪れても新たな発見があり、飽きずに散策できるのが魅力。
園内には日本庭園やせせらぎの池、芝生広場などが整備されており、散歩や写真撮影にもぴったりです。
ベンチに腰掛けてゆっくりと天守閣を眺めたり、家族連れでピクニックを楽しんだりと、思い思いの時間を過ごせます。
観光で訪れる方にはもちろん、浜松市民にとっても親しみ深いスポットとして、一年を通じて多くの人に愛されています。
浜松城観光の所要時間は、天守閣の見学と公園の散策を合わせて約1時間前後が目安です。
館内展示をじっくり見たり、展望台からの眺望や写真撮影をゆっくり楽しみたい場合は、1時間半〜2時間ほどあると安心です。
公園内は坂道や石段が多く、高低差があるため、歩きやすい靴での観光がおすすめ。
天守閣までの道のりは、木々の間を抜ける気持ちのよい散策路になっています。季節の風を感じながら歩けば、心地よくリフレッシュできるでしょう。
浜松城公園内には、実は気軽に呈茶を楽しめる茶室があります。それが、日本庭園の一角に佇む「松韻亭(しょういんてい)」です。
松韻亭では、抹茶または煎茶と季節の和菓子をいただける「呈茶サービス」が行われており、散策の途中にひと息つくのにぴったり。
四季折々の庭園を眺めながら味わうお茶は格別で、天守閣の見学後に立ち寄れば、歴史散策の余韻をゆったりと楽しめます。
木のぬくもりを感じる落ち着いた空間から、美しい庭園の景色を眺めれば、日常から離れた穏やかな時間を過ごせるはず。
浜松城公園を訪れた際には、ぜひ松韻亭で心落ち着くひとときを過ごしてみてください。
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松韻亭
一席 (お茶・お菓子):500円(税込)
時間:午前10時〜午後4時
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浜松城公園のすぐ隣に建つホテルコンコルド浜松は、宿泊だけでなく観光の拠点としても便利なシティホテルです。
館内1階のロビーには、浜松観光をより楽しむための「旅案内MAP」が設置されており、観光客にも好評。
浜松城やホテルを中心に、近隣の飲食店や歴史スポットなどをわかりやすく紹介しています。
さらに浜松広域のエリアマップも用意されており、浜名湖や中田島砂丘など、少し足を延ばして訪れたい観光地もチェックできます。
注目したいのは、各スポットに添えられたホテルスタッフ手作りの紹介カード。見どころやおすすめポイントが丁寧にまとめられており、地元の人ならではの視点が光ります。
もちろん、気になるスポットのカードは持ち帰りOK。散策の合間に次の目的地を探したり、旅の参考にしたりと、観光中にも役立つうれしいサービスです。
また「飲食店マップ」「浜松街中飲み屋マップ」「はままつBARマップ」なども準備されており、地元グルメや夜の街を楽しみたい方にとっても、頼もしい情報源に!
浜松城観光の際には、ホテルコンコルド浜松のロビーにもぜひ立ち寄ってみてください。旅のヒントがきっと見つかるはずです!
画像引用:浜松城公園 公式HP
トイレ:公園内に5ヵ所、浜松城館内に1ヵ所
多目的トイレ:公園内に3ヵ所
授乳室:なし
休憩所:あり
バリアフリー対応:浜松城公園内 一部園路のみ対応
売店:浜松城天守閣1階
カフェ:スターバックスコーヒー、タタズミコーヒー(テイクアウト)
Wi-Fi:浜松城内にフリーWi-Fiあり
取材で訪れた平日は、それほど混雑しておらず、天守閣の館内もゆったりと見学することができました。
一方で、桜や紅葉の季節、イベント開催時には多くの人で賑わいます。
とくに春の「さくらまつり」期間中は、天守閣の入場や駐車場が混み合うため、時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
住所:静岡県浜松市中央区元城町100-2
電話番号:053-453-3872(浜松城天守閣事務所)
電話番号:053-457-0088(浜松城公園管理棟)
営業時間(浜松城):8:30~16:30(最終入場は10分前まで)
休館日(浜松城):12月29日・30日・31日
入館料(浜松城):
大人(高校生以上)200円
中学生以下 無料
高齢者(70歳以上)無料
障害者手帳、療育手帳をお持ちの方(本人)無料
アクセス:
【バス】JR「浜松駅」北口バスターミナル1番・15番乗り場からバスで約10分、下車後徒歩約6分。
【タクシー】浜松駅(北・南口)より約5分。
【徒歩】JR「浜松駅」北口より徒歩約20分。
【車】浜松IC・浜松西IC・浜松浜北ICからそれぞれ約30分。
駐車場:あり(8:00~21:30)
入庫から最初の90分まで無料。
90分を超える分については30分ごとに100円加算
土日祝は上限520円(当日限り)
以下の有料施設ご利用の方は60分無料付加となります。
・浜松城天守閣/天守門
・浜松市茶室
・浜松市美術館
・スターバックスコーヒー浜松城公園店
今回は、徳川家康ゆかりの浜松城と浜松城公園の見どころや楽しみ方について紹介しました。
天守閣の展示や展望台、四季折々の自然を楽しめる公園など、浜松城には何度訪れても新しい魅力があります。
歴史を感じながらのんびりと散策すれば、きっと心に残るひとときになるはずです。浜松観光の際は、ぜひ足を運んでみてください。
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文・写真:戸塚 尚子
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