浜名湖の西岸に位置する「特別史跡新居関跡」は、江戸時代の交通と治安を守った歴史的施設です。

往時の関所建物や忠実に復元した大御門、史料館を通して、関所の役割をリアルに体感できます。
家族連れや歴史ファンはもちろん、散策や写真撮影スポットとしても人気で、江戸の旅情を感じながら歴史に触れられる場所です。
今回は、湖西市新居町にある特別史跡新居関跡をご紹介します!
目次
新居関所は正式には「今切関所」といわれ、慶長5年(1600)に徳川家康によって設置されました。
関所では「入り鉄砲と出女」といわれるように、江戸に持ち込まれる鉄砲や武器に目を光らせるとともに、江戸から出る女性に対し、厳しい取り調べを行い、治安維持の役割を担いました。
その役割は、明治2年(1869)の関所廃止令まで続きました。
そんな新居関所ですが、実は江戸時代から今と同じ位置にあったわけではありません。
慶長5年(1600)の当初は、浜名湖の今切口の新居側に設置されていました。
しかし、元禄12年(1699)の暴風雨や宝永4年(1707)の地震津波など、頻繁な自然災害により2度の移転を余儀なくされ、最終的に宝永5年(1708)に現在地に移転しました。
現在の建物は、嘉永7年(1854)の大地震で大破した後、安政2年(1855)から建て替えが始まり、安政5年(1858年)に完成したものです。
現在では、日本で唯一現存する関所建物として保存・公開されています。
このように、新居関所は設置当初から現在に至るまで、自然災害に対応しながらその役割を果たし続けてきました。
昭和30年(1955)に国特別史跡に指定され、昭和51年(1976)には隣接して関所や新居宿に関する資料を展示する新居関所史料館がオープン。
今では江戸時代の関所を体感できる施設として公開されています。
江戸時代の関所の雰囲気をリアルに再現し、歴史を学びながら体験できる場所。関所改めを行った面番所建物の中にある人形も丁寧に保存されております。
家族連れや歴史ファン、散策目的の観光客にも楽しめる施設です。
・江戸時代から現存する唯一の関所建物
・忠実に復元された渡船場や大御門、女改之長屋で、関所の機能を体感
・史料館には、新居関所や新居宿、旅についてなど交通関係資料がたくさん!
・ボランティアガイド(新居宿史跡案内人の会)による丁寧な解説あり
ここからは、新居関所の訪れた際に、欠かさずチェックいただきたい見どころポイントをご紹介します。
新居関所面番所は、江戸時代から現存する唯一の関所建物です。
重厚な本瓦屋根の入母屋造りの建物は、当時の姿を今に伝え、往来を厳しく取り締まった歴史を肌で感じられる貴重な場所。
往時の緊張感や厳しい取り調べの様子を想像できるのが最大の魅力です。
写真提供:湖西市
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隣接する新居関所史料館では、関所の役割や江戸時代の新居宿の様子や、街道や旅に関する展示に加え、1~2か月ごとにテーマを変えて開催される企画展も行われています。
訪れるたびに新しい発見があるのもうれしいポイントです。
新居関跡では、ボランティアガイド「新居宿史跡案内人の会」によるガイドを実施しています。
新居関跡のほか、新居宿旅籠紀伊国屋資料館の案内も行います。
ガイドならではの視点で語られる物語に耳を傾けながら歩けば、普段の散策では気づけない魅力が広がります。歴史をより身近に感じられる体験です。
新居関所史料館受付では、お土産品の購入も可能です。
屋外には休憩用の東屋やトイレも完備。
史料館入り口にはスロープがあり、バリアフリー駐車場も利用可能です。ただし、一部施設はバリアフリー対応していない箇所があります。
時期を問わず、比較的スムーズに入館可能です。ただし、団体客が来られた場合はお待ちいただく可能性がございます。
・住所:〒431-0302静岡県湖西市新居町新居1227-5
・電話番号:053-594-3615
・営業時間:9:00~16:30
・定休日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12月26日~1月2日) ※8月は無休
・最寄駅:新居町駅(新居関所まで徒歩10-15分)
・駐車場:有(約30台)
・入館料
大人400円小人150円
紀伊国屋資料館との共通券 大人500円、小・中学生200円もあり。
・予約:
入場予約は不要です。
ただし、ボランティアガイドによる案内をご希望の方は、予約が必要です。来館の10日前までに新居関所にお電話ください。
新居関所の周辺には、歴史を感じられる観光スポットがそろっています。
・小松楼まちづくり交流館

大正から昭和初期にかけて芸者置屋兼小料理屋として賑わった「小松楼」の建物を活用した施設です。
明治末期の建築様式を色濃く残し、2階の座敷では当時の芸者文化を感じることができます。現在は市民ギャラリーとしても利用されており、地域の歴史と文化を学ぶ場となっています。
・船囲い場跡

新居宿の西側に位置するこの場所は、江戸時代には入江で旅人の船を係留し、関所と連携して通行管理を行っていた船囲い場の跡です。
当時の今切渡船の役割を物語る貴重な遺構であり、周辺の歴史散策の一環として訪れる価値があります。
・無人島漂流記碑
享保4年(1719)遠州荒井の筒山五兵衛船「鹿丸」が銚子沖で遭難し、鳥島に漂着。乗組員12名のうち3名が21年後に救出されました。
その不屈の精神を称え、12名全員の名前が刻まれた石碑が建立されています。新居関所近くに位置し、歴史的な逸話を感じることができます。
新居関所を中心に、湖西観光を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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特別史跡新居関跡は、日本で唯一現存する江戸時代の関所建物として、歴史を今に伝える貴重な史跡です。
史料館の展示や企画展、ガイドによる解説を通して江戸の旅情を体感できます。
歴史好きの方はもちろん、ご家族でもぜひ遊びに来てくださいね!
【取材・文・写真】佐藤 拓真
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