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みなさんは「左官」をご存じですか?
左官とは、建物の壁や床を塗り仕上げる、日本の伝統的な技法のこと。
古くから培われた技術でありながら、現代の住宅づくりにも欠かせない重要な役割を担っています。
今回は、静岡県浜松市で左官工事を中心とした施工を行うハマニ株式会社が、2023年7月にオープンした「左官ショールーム」を訪問。
伝統技術の魅力と左官がもたらす快適な住環境づくりの秘訣をお伺いしました。注文住宅を検討している方や洗練されたマイホームを叶えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
静岡県浜松市を拠点に、50年以上の歴史を持つハマニ株式会社は、伝統的な左官技術を守りながらも、現代の住宅や建築ニーズに合わせた施工を手がけています。
地域に密着した企業として、多数の住宅・商業施設の施工実績を重ね、確かな信頼を築いてきました。
画像引用:ハマニ株式会社公式HP
ハマニ株式会社の強みは、何といっても高い技術力を持つ「職人集団」であること。
幅広い年齢層の左官職人が、常時30人以上在籍。伝統技術を継承するだけでなく、一級左官技能士の資格取得や技能競技大会への出場を通じて技術力を高めています。
画像引用:ハマニ株式会社公式HP
また、10年以上前から若手の採用と育成にも積極的に取り組み、社内研修や職業訓練校を通じて次世代の職人を育成しているそうです。
今回は、2023年7月にオープンしたハマニの「左官ショールーム」を訪問しました。
閑静な住宅街の中でも、ひときわ洗練された雰囲気を醸し出しているこちらの建物が、ハマニの「左官ショールーム」です。
画像引用:ハマニ株式会社公式HP
建物の内外はすべて左官で仕上げられており、左官技術の魅力を体感できるショールームになっています。
ショールームの中には、伝統的な土壁や漆喰をはじめ、現代的なデザインまで多彩な施工例がそろっており、こだわりのマイホームを叶えたい方のヒントが盛りだくさん!
今回は、ハマニ株式会社の代表取締役 河合 滋さんと左官部 課長の古橋 万益さんに、ショールームを案内していただきながら、左官の歴史やその魅力を教えていただきました。
ショールームの入り口には、左官で用いられる大小さまざまな道具が展示されています。
「左官は日本古来の建築文化を支える伝統技術で、土壁や漆喰といった自然素材を活用しながら家を守り、快適な住環境をつくり上げてきました」と語る古橋さん。
左官で仕上げた塗り壁や床は、見た目の風合いや美しさだけでなく、湿度が高いときには余分な水分を吸い、乾燥しているときには湿気を放出してくれるため、季節や天候に左右されにくい心地よい室内を実感できるそうです。
その心地よさを体感できるのが、2階にあるミーティングルーム。
壁も床もすべて左官仕上げのこの空間は、一歩足を踏み入れると、不思議と心が落ち着くような穏やかな空気に包まれます。
中央に配置されたモダンなテーブル。石造りのように見えますが、実はこちらも左官技術でつくられた一点物の家具なんだとか!
高級感のあるデザインでありながら、手触りはなめらかでやさしく、どことなく温かな風合いが感じられます。
ミーティングルームに隣接した明るくおしゃれな商談スペースも左官仕上げ。
「壁や床はもちろん、このテーブルも左官で仕上げたものです。天板には廃材となった木材を活用して、アートのようなデザインをあしらっています」というお話を伺い、左官技術の幅広い可能性や応用力に驚きました。
熟練の職人技をベースにした左官仕上げは、素材そのものの強度と相まって高い耐久性を生み出し、長く安心して暮らせる住まいを実現してくれるそうです。
「最近では和の印象にとどまらず、モダンテイストやナチュラルなスタイル、さらには大胆なカラーやテクスチャーを取り入れたデザインなど、幅広いご提案が可能です」と案内いただいたのは、ショールーム内のトイレスペース。
左官ならではの塗り壁の風合いと、美しいカラーリングの組み合わせが洗練された雰囲気を醸し出しており、従来の左官のイメージがガラッと変わりました。
ハマニの左官ショールームの見どころの1つが、塗り壁素材の違いを全身で体感できる「性能体験室」。
ここは「ビニルクロス」「漆喰」「土壁」の3種の壁材で仕上げられた部屋に入り、それぞれの空間の違いを体感できる場所です。
一般的なビニルクロスの部屋に入ったあとに、漆喰や土壁の部屋に入ってみると……。
「あれ?なんか空気の感じが違うね」
「音の聞こえ方も違う」
というように性能体験室では、それぞれの違いを視覚や触覚で確かめられるだけでなく、調湿性の効果も比べられるため「壁の素材によって、こんなに感じ方が変わるんだ!」と驚く方も多いそうです。
「写真やカタログだけでは伝わらない、左官ならではの魅力を、ぜひこのショールームで体感していただきたいですね」と笑顔で案内してくださったハマニ株式会社代表の河合さん。
左官技術の奥深さに、驚きの連続でした。
最後に案内いただいたのは、ミーティングルームの壁面に収納された塗り壁サンプル。その数は、なんと1000種類を超えるそうです。
「こちらは、先ほどのトイレスペースに使用している塗り壁のサンプルです」と見せていただいたのは、カラーバリエーション豊富なMORTEX(モールテックス)というベルギーのメーカーが開発した左官材のサンプル。
最近では、このMORTEXを使ってキッチンの天板や洗面所など水回りをスタイリッシュに仕上げる事例も増えているそうです。
耐久性や防水性に優れているため「コンクリートのような無機質な質感を楽しみながら、汚れや傷に強い空間をつくりたい」という方からも好評で、若い世代を中心に人気を集めています。
和のイメージが強い左官ですが、現在は国内だけではなく海外メーカーの素材も多く、多種多様なデザインが実現できるといいます。
「このショールームではカタログだけではなく、塗り壁のサンプルを比較しながらご提案ができるので、実際の仕上がりをより具体的にイメージしていただけます」
そう話す古橋さんの言葉のとおり、実際に素材を見比べながら相談できるのは、ハマニの左官ショールームならではの魅力。
色や質感のわずかな違いも肌で感じられるため、理想の住空間をより自由に思い描けるのだと実感しました。
ハマニ株式会社のショールームでは「左官体験」や、学校や教育機関向けに子どもたちにも人気の「光る泥だんご体験」などのイベントも開催しています。
「え?これが泥だんご?」と驚くほどつややかで美しい泥だんごをつくりながら、伝統技術である左官について学べるイベントは、体験者からも多くの好評の声が上がっています。
「こうしたイベントを通じて、より多くの方に左官の魅力を知っていただきたいですね」と語る河合さんと古橋さん。
取材にお伺いした2024年12月時点でオープンから約1年半と、まだまだ始まったばかりのハマニの左官ショールーム。
今後も多くのお客さまの住まいや店舗づくりをお手伝いするために、新たなご提案やイベントなどを企画しているそうです。
ハマニの左官ショールームは、一般の方から建築関係者まで、予約制での見学が可能です。ご来場希望の際は、ネット予約またはお電話にてご予約をお願いします。
電話予約:053-588-7857
ハマニ株式会社 企業情報
OFFICE
静岡県浜松市浜名区西中瀬3丁目13-5
左官ショールーム
静岡県浜松市浜名区西中瀬3丁目11-12
TEL:053-588-7857
FAX:053-588-1955
(文・写真:戸塚 尚子)
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