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湖西市地域おこし協力隊の佐藤拓真 (Instagramをチェック!)です◎
私が暮らす湖西市新居町(あらいちょう)は、歴史の息吹を感じられる町として知られています。特に、東海道五十三次の宿場町「新居宿」と、日本唯一の現存する関所建物として重要文化財に指定されている「新居関所」は、新居町の歴史的な魅力を象徴する存在です。
今回は、そんな湖西市新居町が主役となったイベント『第36回東海道シンポジウム 新居宿大会』と、それに付随した『新居町の歴史』をご紹介します。
このイベントでは、新居町の歴史的価値を広く発信し、地域の魅力を再発見できる貴重な機会となりました。歴史に触れながら、町の歴史的一面を感じてみませんか?
目次
東海道シンポジウムは、日本の歴史的街道である「東海道」に関する文化や歴史の保存・継承、地域活性化を目的としたイベントです。
これまで、第1回開催となる1988年、土山宿大会を皮切りに(2020年を除く)計35回開催されました。
東海道シンポジウムでは、東海道の重要性や歴史的背景についての講演が行われるほか、沿線地域の観光資源を活用した振興策が議論されます。
参加者には、学者、観光関係者、地元住民などが多く、各地の歴史や文化、自然などの魅力を再発見し、未来に向けてどのように保存・発展させるべきかについて意見交換が行われます。
第36回を迎えた東海道シンポジウムの開催地となったのは、湖西市の「新居宿」。
※昨年は、神奈川県の川崎宿で開催。
シンポジウム内では、開会式に旅路の像引継ぎ、閉会式には次の宿場に当たる戸塚宿へ大会旗引継ぎなどが行われました。
講演イベントとして、第1部講演で新居宿史跡案内人の会 副会長 切池 融(元新居関所史料館長)氏が「江戸時代の旅と関所について」、第2部講演では、湖西市新居・中根庭園を研究する会会長 吉元洋美氏が「中根金作が作った庭の紹介と解説」について、壇上に立ち、各宿場の方々に講演を行いました。
東海道五十三次の魅力は、江戸と京都を結ぶ街道として、日本の歴史・文化、そして旅情を今に伝えていることです。
東海道五十三次は江戸時代に整備された五街道(※1)の1つで、江戸と京都を結ぶ主要な交通路でした。大名行列や商人、庶民などが行き交い、日本各地の文化や産業が交流する舞台となっていました。
これにより、地域ごとに独自の文化や特産品が育まれたことが今でも感じられます。
※五街道(ごかいどう)は、江戸時代の江戸・日本橋を起点に伸びる東海道、中山道、日光道中、奥州道中、甲州道中の五つを指した陸上幹線道のことです。
歌川広重の浮世絵シリーズ『東海道五十三次』は、この街道の美しい風景や当時の人々の様子を描いた作品です。
この浮世絵は貴重な資料であると同時に、日本美術の魅力を国内外に広める役割を果たしました。
広重の絵を手がかりに、実際に現地を訪れ、その景観や雰囲気を味わうのも楽しみ方の1つです。
東海道には53の宿場町があり、それぞれに歴史的建造物や文化的遺産が残されています。
特に箱根や三島、岡崎、草津などは観光地としても有名で、当時の旅人が体験したであろう風情を味わうことができます。
東海道は海岸沿いや山間を通るため、富士山や美しい浜辺、川や湖など、自然の豊かな景観も魅力です。
春には桜、秋には紅葉が見られるなど、四季折々の風景が旅人を迎えてくれます。
各宿場町には、その地域ごとの伝統工芸や祭り、郷土料理があり、旅の途中で異なる文化に触れることができます。
新居宿では、「鰻蒲焼き」 白須賀宿では「柏餅 」や「蕎麦切」が各宿場の郷土料理として親しまれていたそうです!
東海道五十三次をたどる旅は、江戸時代の交通や経済、文化の発展を理解する良い機会でもあり、徳川家康による街道整備の意図や、庶民の旅の様子など、歴史に触れる体験ができます。
このように、東海道五十三次は歴史と文化、自然の魅力を兼ね備えた場所として、今でも多くの人々に愛されています。
今回の東海道シンポジウムの開催地となった「新居町」は、東海道の重要な宿場町として栄え、当時の旅籠や商家の面影が今も感じられます。
新居町は、東海道唯一の関所「新居関所」を持ち、かつては旅人の行き来を厳しく管理していた歴史がある場所です。
江戸時代には、新居関所を通ることで江戸と京都の行き来ができ、多くの人や物が行き交いました。
特に新居関所は「入鉄砲出女(いりでっぽうでおんな)」の監視を強化したことで知られ、東海道の防衛上の要所としての役割を果たしました。
この歴史は今も新居関所跡や記念館に残り、地域の観光資源として多くの人々を魅了しています。
江戸時代に関所で特に厳しく取り締まられた「外からの鉄砲の持ち込み」と「江戸から出る女性」を指します。新居町の新居関所は、東海道五十三次唯一の現存する関所として知られ、交通の要衝であったため、これらの取り締まりが特に厳重に行われました。
新居町は浜名湖と太平洋に挟まれた立地を活かし、江戸時代には交通・物流の要所として栄えた場所です。
東海道を行き交う武士や商人、庶民たちの休憩・宿泊地としても機能し、新居宿の周辺には多くの茶屋や旅籠(はたご)が立ち並びました。
当時の旅人たちはここで食事をとり、休憩しながら、海や湖に面した景色を楽しんだそうです。
新居宿の宿場町の歴史の象徴ともいえる関所。実は新居関所は、歴史の中で2度移転を経験しています。
最初の移転は、慶長5年(1600年)に起きた大地震による津波の被害が原因でした。この津波によって関所や宿場自体も、壊滅的な被害を受け、家屋や道路の多くが破壊され、宿場機能が一時停止しました。
それに伴って、商人や旅人の流入が減少し、宿場経済が一時的に低迷したといいます。
交通の要所としての機能を早急に回復させることを目的に、新居関所は現在の「新居関所記念館」のある場所へと移転することとなったのです。
新居関所が復活したことで、宿場の賑わいが徐々に戻り、周辺の商業活動も再開しました。また、災害に伴い、新しい場所は津波の被害を受けにくい立地で、再度の大規模災害に備える形となりました。
2度目の移転は、江戸時代中期に起きた浜名湖の地形変化がきっかけでした。
浜名湖が海とつながり潮の干満が激しくなることで、元の関所周辺が水害の影響を受けやすくなったため、場所をより安全な地域に移動させる必要が生じたのです。
この移転により、水害の少ない立地に新居関所が設けられ、宿場の運営も安定しやすくなりました。交通の流れも同時に調整され、新しい立地によって宿場の利便性が向上したことで、新規の旅人や商人の利用が促進されたといいます。
こうした移転を通じて、新居関所は江戸時代を通じて東海道の要所としての役割を果たし続けました。この歴史的な経緯は、現在も新居町の地域文化と観光資源の重要な一部となっています。
日本で唯一現存する新居町の関所「新居関所」や「旅篭紀伊国屋資料館」「小松楼まちづくり交流館」は、新居町の歴史をたどる重要スポットです。
ぜひ、江戸にタイムスリップしたつもりで新居町を巡ってみてはいかがでしょうか?
「新居関所」内の常設展では、新居宿の歴史やそれらに付随した歴史の企画展を見ることができます。
新居関所について
・住所:静岡県湖西市新居町新居1227ー5(◀︎タッチでGoogleMapへ)
・電話番号:053-594-3615
・営業時間:09:00-16:30
・定休日:月曜日
・公式サイト:HP
江戸初期に茶屋を営んでおり、明治初めの再建された「紀伊國屋」は、当時の風情を体感できる施設です。
旅篭紀伊国屋資料館について
・住所:静岡県湖西市新居町新居1280-1(◀︎タッチでGoogleMapへ)
・電話番号:053-594-3821
・営業時間:09:00-16:30
・定休日:月曜日
・公式サイト:HP
「小松楼まちづくり交流館」は、大正から昭和20年代ごろまで芸者置屋兼小料理屋を営んでいた建物で、現在は、1階が市民ギャラリー、2階が座敷になっています。
小松楼まちづくり交流館について
・住所:静岡県湖西市新居町新居1190-3(◀︎タッチでGoogleMapへ)
・電話番号:053-594-0540
・営業時間:09:00-18:00
・定休日:月曜日
・公式サイト:HP
(写真):湖西市地域おこし協力隊 佐藤拓真
(文):湖西市地域おこし協力隊 佐藤拓真
(SNS):湖西市地域おこし協力隊 佐藤拓真
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