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湖西市地域おこし協力隊の佐藤拓真 (Instagramをチェック!)です◎
先日、湖西市モノづくり推進室が企画した『移住体験ツアー』に参加しました。
このツアーは、湖西市への移住や就職を検討している方を対象にしたもので、私も新たな発見を求めて参加しました。
その中で訪れたのが、全国的にも珍しい酪農農家である『満咲牧場』。
以前から『満咲牧場』の名前は聞いたことがありましたが、実際に訪れてみると知らないことばかりでした。
この貴重な体験を通じて「湖西市にはこんな素晴らしい場所があることを多くの人に伝えたい」と感じたため、今回は『満咲牧場』の魅力を詳しく紹介します!
目次
『満咲牧場』は、静岡県湖西市で酪農を営んでいる牧場です。
地域に根ざした酪農を行い、2022年11月に東海地区で大規模な酪農牧場として操業を開始しました。
1,000頭規模の乳牛を飼育する大規模な農場ですが、最新鋭の設備を導入することで作業の効率化と省力化を図っています。
特に、県内初の大型ロータリーパーラーの導入により、搾乳作業の時間が大幅に短縮されたそうです。
また、子牛の哺乳にはロボットを使用しており、ミルクの温度や濃度を正確に管理するなど、技術を駆使して高品質な乳製品を生産しています。
酪農業界は、後継者不足や高齢化という課題を抱えています。『満咲牧場』では、こうした課題に対して、最新鋭の設備を導入し、人も牛もストレスのない「未来型牧場」を目指しているとのこと。
まずは『満咲牧場』の、驚きの設備をご紹介します!
大型ロータリーパーラーは、酪農で使用される大規模な搾乳機械の一種です。
通常の搾乳設備よりも効率的で、多頭数の牛を一度に搾乳できるように設計されています。
POINT.01 回転式プラットフォーム
ロータリーパーラーの特徴は、回転するプラットフォームです。
牛が一列に並び、順番にそのプラットフォームに入り、回転しながら搾乳されます。搾乳が完了する頃にはプラットフォームが1周し、牛は自動的に降りる仕組みです。
牛もこの工程がわかっているかのように、自ら後退りして、プラットフォームから出ていく様子に驚きました。
『満咲牧場』の大型ロータリーパーラーは、1度に40頭の牛の搾乳を同時に行うことができ、1日あたりの搾乳作業が大幅に効率化されています。
これにより人手が削減され、作業スピードも向上しているそうです!
搾乳の過程は大部分が自動化されており、搾乳機は牛の乳房に自動的に装着され(最初は手動)、ミルクが絞られると自動的に外れるようになっています。
また、牛ごとのデータを記録し、健康状態の管理やミルクの生産量の機械で追跡も行うことが可能です。
この大型ロータリーパーラーは、牛にとってもストレスを軽減するように設計されています。
回転式のため、牛は動くことなくリラックスした状態で搾乳され、短時間で終了するため負担が少ないそうです。
牛はストレスや不快感、不安などを感じた際に「もぉ〜」と鳴くといわれています。
しかし『満咲牧場』の牛は、搾乳の際に鳴くことが少ないんだとか。
整った環境がで牛がリラックスしながら飼育されていることがわかりますね!
※牛が鳴くのはコミュニケーションの1つともいわれていますので、上記のことが一概とはいえません。
『満咲牧場』では、子牛の健康管理と効率的な育成を目指し、最新の哺乳ロボットも導入しています。
子牛が自ら哺乳ステーションに来て、ロボットが自動でミルクを供給します。
これにより、哺乳のタイミングが管理され、子牛は必要な量を適切なタイミングで飲むことができます。
ロボットは各子牛の飲んだミルクの量や速度、頻度を記録し、異常があればすぐに検知できます。
例えば、ミルクを飲む量が減ったり、飲むペースが遅くなった場合、子牛が健康に問題を抱えている可能性があるため、早期に対策を取ることができます。
人手による哺乳作業が不要になるため、牧場スタッフの労力を大幅に削減できます。
そのため、牧場スタッフは他の業務に専念でき、牧場全体の効率が向上します。
また、ロボットによる哺乳は、一定のリズムで提供され、子牛にとって安定した環境が整うため、成長に必要な栄養を適切に摂取でき、ストレスが軽減されます。
『満咲牧場』では、上記でご紹介したように搾乳や哺乳の観点から最新鋭の設備を導入し、牛に負担のかからないよう管理を行なっています。
他にも牛の健康管理に細心の注意を払い、ストレスの少ない環境を整えることで、牛たちの快適な生活環境を提供しています。
その1つが「コンポストバーン牛舎」です。
コンポストバーンは、牛の排泄物を適切に管理し、有機肥料にすることで、土壌改良や作物の栄養循環に貢献するシステムです。
また、有機肥料の中に石灰を混ぜることで肥料のアルカリ性が上がり、細菌の成長を抑える効果があります。これにより、病原菌が減少し、牛が乳房炎にかかるリスクも低減しているそうです。
この肥料の下には、写真(左)のような管が配置されており、ここから空気が噴出しています。
有機肥料に含まれる有機物は噴出される空気を利用し、微生物発酵を行います。
熱を持つことで、高温になればなるほど、発酵は進み、肥料の質を高めてくれます。
また発酵が進む中で有機物の匂いが減少し、肥料として使いやすくなるそうです。さらに60~70℃程度まで温度が上がると、病原菌や雑草の種子が死滅し、病害虫のリスクを減少させる効果もあるなど、さまざまな土壌改良効果が期待できます。
※肥料の中の温度は80℃まで達するそうです!!
さらに『満咲牧場』では浜名酪農業協同組合の「TMRセンター」で製造された配合飼料を使用し、循環型の酪農システムを構築しています。
『満咲牧場』が関わる循環型酪農システムは、地域で生産された飼料を使い、牛を健康に育てることで質の高い牛乳を生産しています。そして、その過程で出る排泄物は肥料として再利用し、牧草や作物の栽培に活用する仕組みです。
このサイクルを通じて、無駄を減らし、環境にも優しい持続可能な農業を実現しています。
牛の体調管理をする上で、見た目の変化も監視しなければいけません。
しかし、平面からでは見えない箇所も多くありますよね。
そこで『満咲牧場』では、高さ5mほどの高さから牛を監視できる通路が施設内に設置されています。
牛と同じ高さ視点と牛を見下ろせる視点、2つの視点から監視することで、平面上では気付けない牛の見た目の変化を観察することができます!
この通路は牛の観察の他にも、見学ツアーの通路にも利用されています。
『満咲牧場』の牛には、首輪が付けられており、付けられている番号で1匹ごとに管理を行なっています。
管理の上でもう一つ大切なのが、首輪についた咀嚼センサーです。(下記の画像赤枠)
咀嚼センサーの主な役割は、牛の咀嚼時間を測定して健康状態をモニタリングすることです。
具体的には、牛ごとの飼料の摂取状況を把握することで、乳量や肉質の向上に役立てたり、ストレスの原因を特定して対策を講じたりなどがあげられます。
データ収集と分析によって、飼育環境を改善しているのは、未来型農業を目指す『満咲牧場』ならですね!
『満咲牧場』は人材育成にも積極的に取り組んでおり、未経験者でも安心して働ける環境を整えています。
施設内の最新設備に加え、シャワー室や洗濯室を備えた休憩施設が完備されており、遠方からの従業員には住宅手当を支給するなど、移住支援も行っています。
また、『満咲牧場』には外国人の方が数名就労されています。
2019年4月から導入された特定技能制度を利用し、特定技能を持つ外国人労働者を受け入れているそうです。特定技能制度は、農業や酪農業などの特定の分野での人手不足を補うために設けられたもので、専門的な知識や技術を持つ外国人が日本で働くための制度です。
満咲牧場では、こうした制度も活用して、持続可能な酪農を支えるための幅広い人材を育成しています。
今回は、湖西市の『満咲牧場』の魅力をお届けしました。
『満咲牧場』は、地域の資源を活かし、持続可能な酪農を実現するために、最新の技術やシステムを導入しています。
また、特定技能を持つ外国人労働者の受け入れや、TMRセンターによる配合飼料の活用を通じて、牛の健康管理や生産性の向上にも努めています。
今後も『満咲牧場』は、地域の農業振興と環境保全を両立させながら、質の高い牛乳を提供し地域社会に貢献していきたいとのことでした。
定期的にツアーの開催なども行なっているので、そちらも参加してみてはいかがでしょうか?
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