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浜松市天竜区に鎮座する秋葉山本宮秋葉神社は、全国各地に点在する秋葉神社の総本宮。火防の神様を祀り、秋葉山山頂の上社と、山上の御本殿を遥拝する下社とがあります。
今回は秋葉山の麓、気田川に抱かれた下社と、上社と下社とを結ぶ表参道へのアクセス方法に加え、参拝後に立ち寄りたい道の駅「いっぷく処横川」をご紹介。
いっぷく処横川の名物スイーツ情報もお届けします。
目次
秋葉神社下社拝殿
JR浜松駅から北北東方向へ約30キロ。
浜松市天竜区に鎮座する秋葉山本宮秋葉神社(以下、秋葉神社)は、日本各地に祀られている秋葉神社の総本宮です。
秋葉山の山頂の上社と山上の御本殿を遥拝する下社があり、今回紹介する秋葉神社下社は赤石山脈(南アルプス)の南端に位置する秋葉山麓に鎮座しています。
秋葉神社の御祭神は、火防の神様・火之迦具土大神。伊邪那岐・伊邪那美夫婦(日本神話に登場する、国生み・神生みを行った神様)の御子です。
秋葉神社下社の駐車場
駐車場は道路を挟んだ向かい側に。
一見するとそれほど広く感じませんが、初詣時期には気田川の河原が臨時駐車場となるのでご安心を。河原へは、この駐車場の左側から下りられます。
駐車場から道路を渡ると秋葉神社下社の石碑が。
この右側には、秋葉神社の由緒や年中行事が書かれた大きなパネルが設置されています。参拝前に目を通してみてはいかがでしょうか。
左上:参道入口、右上:見上げれば杉木立、左下:自然石と砂利でできた石段、右下:両脇には灯籠が立ち並ぶ参道
石碑から下社の拝殿の高低差は15メートルほど。小さな太鼓橋を渡った先から始まる石段を上ります。
石段の脇には木の杖があるので、心配な方はお使いください(※参拝後は要返却)。
見上げれば神域の杉木立。見下ろせば視線の先には気田川の清い流れ。自然石と砂利とで作られた石段は上るだけで自然の気を充足できそう。
下社の拝殿は石段を上りきると正面に。
お賽銭箱や神前幕などに描かれているのは、秋葉神社の神紋「七葉もみじ」。境内のあちこちで見ることができます。
火打金と火打石は手水舎の向かって左隣に
参拝前には手水舎で身を清めましょう。
手水舎に柄杓は置いていないため、両手で水をすくい口を清め手を洗えばOKです。
火防の神様をお祀りしている秋葉神社では手水舎でのお清めはもちろん、手水舎の隣で火打石を用い切り火によるお清めも可能です。
「切り火ってなに?」と思う方もいますよね。
切り火とは火打金により火打石を打ち鳴らし、身を清めたり魔除けやお祓いをしたりすること。時代劇を見ていると、主人公が外出する時に無事安泰を祈り切り火を切ってもらうシーンが登場しますよ。
折敷内の火打金と火打石
切り火を用いた清め方は意外と簡単。
右利きの場合ですが、まず左手で折敷内の火打金(「正一位秋葉神社」と書かれたもの)を持ち固定します。
次に右手で火打石を持ち、左手に持った火打金へかすらせるように動かします。
2~3回かすらせれば、お清めは完了です。
この切り火を用いたお清めは、新型コロナ禍で手水舎が使えなくなってから登場したそう。火防の神様をお祀りしている、秋葉神社ならではですね。
筆者が切り火でのお清めをしている間にも、参拝者の姿は途切れることなく見られました。
拝殿手前から空を見上げる。この後方に上社の本殿が!?
1943(昭和18)年に建立された秋葉神社下社の正式名称は「遥斎殿」です。これは秋葉山の山頂に鎮座する上社御本殿を遥拝する神殿だから。
ということは拝殿の正面方向、遥か後方に上社の御本殿が…?
下社拝殿から左斜め30度くらいの方向(十農は、画像中央よりやや右側に見える巨大なスコップのような道具)
気になったので権祢宜の鬼頭さんに伺ったところ「上社の拝殿は下社拝殿正面後方ではなく、左斜め30度くらいの方向なんです。拝殿向かって左側に奉納されている巨大な十農(火が点いた炭を運ぶ道具)の先方向です」との答えをいただきました。
山の峰に遮られているため上社の御本殿は直接見えませんが、下社参拝時には上社の遥拝もお忘れなく。
神社へ参拝した後は、お守りやおみくじ、御朱印等が気になりませんか?
秋葉神社下社ではそれらの授与を、境内2か所で受けられます。
上の画像は拝殿の手前、向かって左側にある社務所です。秋葉神社とゆかりの深い秋葉三尺坊が遠江天狗の総帥と呼ばれているため、天狗が描かれたお守りや破魔弓なども。
左上:社務所に並ぶお守りやお札、右上:七葉もみじが美しい肌身守(錦守り)、左下:各種お守りの奥に並ぶ火防まといや破魔弓、右下:金の切り絵御朱印と火打石
社務所には数多くのお守りや縁起物など並んでいます。
七葉もみじの意匠が美しい開運守(錦守り)は色彩豊か。火打石祓守やステッカータイプの交通安全守も人気です。
右側が秋葉神社下社の墨書き御朱印(左側は浜松城の御城印)
秋葉神社の御朱印は、一般的な墨書きの御朱印と切り絵御朱印の2種類。
墨書きの御朱印は上社・下社で異なるため、御朱印帳の左右になるよう書いていただく方もいるそう。
金色が目に鮮やかな切り絵御朱印は上社下社共通で見開きタイプです。
御朱印帳の見開きに貼ったり、ラミネートして飾ったり。見るたびに参拝時の様子が思い出せますね。なお、参拝時の日付は社務所で記入してくれます。
秋葉山本宮秋葉神社の公式サイト(外部リンク)
駐車場入り口
秋葉神社には、上社と下社とを結ぶ徒歩専用の表参道があります。
標高866メートルの地に鎮座している秋葉神社上社と、山の麓にあり上社の遥斎殿である下社付近の道路との標高差は約750メートル、距離にして4キロ以上。
大人の足で片道1時間半から2時間ほどで到着します。
表参道の入口までは自動車での移動もOK。下社の駐車場から気田川をさかのぼるように進むと、左側に東海自然歩道の駐車場があるので、そちらに停めましょう。駐車場はトイレ完備です。
駐車場の案内板にも天狗と半鐘が
駐車場の目印は「ようこそ春野町へ」と書かれた大きな案内板です。
この案内板にも七葉もみじと天狗の姿が。そして火防からの連想なのか、半鐘が吊るされています。
表参道の入り口
上社と下社とを結ぶ表参道は、東海自然歩道に指定されています。
とはいえ高低差があり山深い木立の間を歩くため、体力や装備等にはお気をつけくださいね。
トイレは案内板の脇に
「下社参拝後には天竜区内のご当地土産を買ったり、なにかスイーツを食べたりしたいな」
そのような時は、国道362号線沿いでオアシス的存在の道の駅「いっぷく処横川」へどうぞ。目印は「いっぷく処横川」の案内板と、大きなソフトクリームの立体看板です。
そう、同駅の名物は地元名産品を使用したソフトクリームなんです。このソフトクリームは、のちほどご紹介します。
食事処(左側の建物)と直売所がベンチとテーブルを囲む(中央の建物)
いっぷく処横川には無料休憩所やトイレはもちろん、地元の物産品を扱う直売所や食事処が揃っていることから、「ドライブ途中に気軽に立ち寄れる」と人気の施設です。
普通車40台・大型車2台が止められる駐車場では、EV充電も可能です。
陳列棚に並ぶお茶や蜂蜜、乾燥させた原木椎茸など地元産の乾物や加工食品
直売所内でのお勧めは、なんといっても原木椎茸!
店内の陳列棚には、乾燥させた原木椎茸がずらりと並んでいます。
近年、国内で流通している椎茸は菌床栽培が主流で、ホダ木を利用した原木栽培はわずか6パーセントほど(令和4年の林野庁データによる)。
スーパーなどの小売店で販売している椎茸の多くは菌床栽培のもので、原木栽培の椎茸ではありません。
その貴重な原木椎茸を、いっぷく処横川では年間を通して購入できるんです。
そのほか緑茶や和紅茶、蜂蜜など、地元産の乾物や加工食品を販売しています。また、イノシシや鹿肉などのジビエを加工したレトルトカレーも。
左上:名物の蒸しパン「たべまいか」、右上:光明勝栗、左下:原木しいたけがずらりと並ぶ、右下:季節ごとの採れたて野菜等は軒下の陳列棚に
同道の駅イチ推しの原木椎茸は、蒸しパンをはじめ、五目煮豆やコロッケなどに入っています。
蒸しパンは、しいたけ、よもぎ、さくら、さつまいも、かぼちゃ…と種類も豊富。無添加で静岡県内産の小麦粉を使用しています。
3個入りパック(しいたけ、よもぎ、さくら)を購入した筆者は、帰宅後に素材の風味をしっかりと楽しみながらいただきました。うん、美味しかった~。
季節ごとの採れたて野菜は軒下の陳列棚に。晩秋から翌春にかけて生の原木椎茸も並びます。
焼いてバター醤油を付けても良し、てんぷらや煮物にしても良し。肉厚でジューシーな山の恵みを、ご自宅でぜひ!
しいたけソフトクリームは軽食ブースで販売
「もしかして、名物スイーツにも原木しいたけが?」
そうなんです。いっぷく処横川の名物スイーツは、なんと、しいたけソフトクリーム!
原木椎茸の粉末を生地に混ぜ、オリジナリティを追求し完成した名物ソフトクリームです。
しいたけソフトクリームは、直売所の向かって右側に建つ軽食ブースで販売しています。
ソフトクリーム見本は右からバニラソフト(ミニサイズ)、しいたけソフト、バニラソフト、バニラ&しいたけソフト(各普通サイズ)
ソフトクリームの種類は、しいたけソフトとバニラソフト、そして2つの味が楽しめるバニラ&しいたけの3種類。それぞれ普通サイズとミニサイズから選べます。
しいたけソフトクリームの味が気になる場合は、ミニサイズから試してみてはいかが?
しいたけソフトクリーム(本物 / 11月撮影)
しいたけソフトクリームの口どけは、とてもなめらか。頬張るごとに椎茸の風味が口中に広がり、食べ終わる頃には虜になっているかも!?
なお、表面に見える黒い粒は椎茸の粉末です。
見本品を持って撮影
しいたけソフトクリームは柔らかく溶けやすいため、暖かい日に記念撮影をしたい方は素早く撮るのがお勧めです。
軽食ブースの見本品を借りることも可能ですが、見本品を借りる際にはスタッフに一声かけてくださいね。
道の駅「いっぷく処横川」の公式サイト(外部リンク)
秋葉神社下社へは、西鹿島駅バス停から遠鉄バス秋葉線にて「秋葉神社」バス停下車、徒歩すぐ。
2時間に1本程度、運行しています。
遠鉄バスの公式サイト内、路線図(秋葉線)(外部リンク)
また11月~翌年1月の初詣シーズンにかけて、西鹿島駅から秋葉神社上社までの臨時バスも運行します。
神社への参拝後、その地域ならではの名物をいただくと、神様との縁が深まるとされています。
秋葉神社下社へ参拝した後に、しいたけソフトクリームを楽しんで、神様との縁を深めてくださいね。
(文・写真:麻生のりこ)
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