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フランス語で「小さい・かわいい」という意味をもつPETIT(プティ)が会社名。
浜松や県内産品にこだわってペットグッズを製作する企業が、新たに立ちあがったと聞いて取材に伺うと、待っていたのは、小さく可愛いという社名イメージからはちょっと予想外の、ジャンバー姿が似合う男性4名でした。
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(写真左から、石塚建具-石塚さん、第一天龍-宮崎さん、東洋家具-長谷川さん、武藤染工-武藤さん)
家具製造や織物業など、それぞれが別の会社で代表を務める4名が、一緒に設立したのがPETITです。
もともと、浜松まつりでの繋がりや、地元の同級生、飲み仲間として親交のあったメンバーが、新たな取り組みとしてペットグッズの製作・販売をスタートさせました。
会社名は、メンバーの長谷川智章さんがいつか愛犬に名付けたいと温めていたネーミングが由来です。
「大量生産の既製品は、確かに安いけれど、自分の暮らしや愛犬に使いたいと思えなくて…。」
市場に流通する既製のペットグッズを使う中で、本当に欲しいものが手に入り難く、ユーザーとして海外産のクオリティに納得できなかった経験から、材料や品質にこだわったペットハウスやハーネス、リードを自作しはじめました。
代表を務める武藤真和さんは、「デザイン企画や素材選び、加工、組み立てまで、職人が心を込め、安心して使ってもらえるペットグッズを目指しました。」と、コロナ禍の新たなチャレンジとしてこの事業に取組んでいます。
石塚さんの木工技術、宮崎さんの繊維への造詣など、異業種同士の強みを活かして試作を重ねる中、地元の愛犬家からの購入希望や、製作依頼の声がPETITに集まり出します。
「自分が出来ないことを仲間が出来る。業界の常識に囚われない視点や、アイデアで商品が生まれて面白い。」一社ずつでは規模が小さく、時間もかけられなかった新規事業ですが、専門知識をかけ合わせることで、事業化への枠組みが整いました。
「これまで、親から引継いだ事業を守ってきましたが、ペットグッズ事業を立ち上げて創業のワクワクを楽しんでいます。」そう話しながらも、新たに事業を興す大変さも同時に体験し、先代の苦労を知ったそうです。
職人気質の先入観をとりのぞいて、PETITとして活動することで、本業へ活かせる学びが沢山ありました。
実際にどんなグッズがあるのか気になって人気の商品について伺うと、強度を保ちながらも、組み立てやすいペットハウスを紹介してくれました。
継ぎ目には留め継ぎ技法を用いるなど、職人の技とこだわりを込めて製作されています。
地場産品である遠州織物をカバー・クッションに使うことで、使うほどに馴染む生地の風合いが魅力。他の地域にはない木と布地の、豊かなバリエーションから暮らしのテイストに合ったハウスが選べます。
色彩豊かで世界最小の織物と言われている『真田紐』で仕立てた、リードやハーネスも、これまでのペットグッズには無かった商品で注目されているそうです。
ドッグトレーナーやトリマーに配色の意見を聞いたり、お客様の要望から新商品が生まれたりと、ものづくりの技術をペットグッズに注ぎ込むことで、小型犬だけにとどまらないペットグッズが企画されています。
インターネットで全国販売を行うほか、直に商品が手にとれる特約店が浜松市内に6店舗。更に増える計画も進んでいるそうです。
そして、PETITの活動は製作・販売だけではありません。トリマーやドッグトレーナー、ペット専門学校と連携しながら、『ペットと暮らしやすい街づくり』にも取組む壮大なプロジェクトです。
市内にドッグランなどノーリードで過ごせる場所をつくったり、ダストボックスの整備、愛犬家が交流をはかれるイベントなどを計画したりしています。
「まずは、浜松の人にどんなニーズがあるのか聞いていければ」と、商品づくり同様に、ユーザーの声を聞きながら自分たちの出来ることを提案していきたいと言います。
「のちに浜松を代表する産業に育ったらいいよね!」と、ペットと地元の暮らしを考えるPETITに、今後も期待が高まります。
【PETIT(プティ)】https://www.petit-2021.com/76184/
(文・写真)浜松・浜名湖観光ライター ジャンク板村
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