今夏、日本最高気温41.1℃を記録した浜松でもやっと秋風を感じるようになってきた。浜名湖ガーデンパークでは「オータムフェスタ2020」が始まった。今年の期間は、9月26日(土)から11月3日(火・祝)の約一ヶ月。40万本のコスモスとともに期間中、芝生の上でのネイチャーヨガや子ども写生教室、グラウンドゴルフなど老若男女が楽しめるイベントが予定されており、「芸術の秋」と「スポーツの秋」を一度に満喫できる。

浜名湖ガーデンパークは2004年に浜名湖花博が開催され、半年間で500万人以上もの人が訪れた。入場無料で駐車場も完備されており、季節ごとに色とりどりの花木で彩られる人気のスポットとなっている。公園内は多くの人で賑わってはいるが、広い敷地のため密を心配せずに散策を楽しめる。

（展示されている鉄のオブジェたち）

　今回訪れた目的は、鉄のオブジェが展示されている「国際庭園アートギャラリー」。ランドマークの展望塔から川を挟んだ場所にある。

　「鉄のオブジェ」この言葉を聞いてどんなイメージを持つだろう。素材や色などから、冷たい、硬い、重厚・・・それに少し縁遠いイメージもあるのではないだろうか。でも、ここを見るとそんな概念が変わるだろう。

　展示協力をしているのは、鉄という素材を使って作品をつくる浜松のアーティスト集団「はままつ・Art・鉄・人（はままつアーテツト）」だ。

　「はままつArt・鉄・人」は2016年から展示に協力しており今回で5年連続となる。鉄のオブジェたちは既にガーデンパークの秋の風物詩となっており、今年は4名の作家(ナイトー工業㈱、midnight pumpkin、工房つしま、土屋美帆)の作品が展示されている。

　先ほど、少し縁遠いイメージのある鉄のオブジェと書いたが、ものづくりの街・浜松にとって鉄などの金属素材は身近な存在だ。オートバイ、楽器、繊維(織機)、自動車、どれをとっても金属が使われている。そんな土壌があるからか鉄という素材を使って作品作りをしている作家がたくさんいるそうだ。

　会場で「はままつArt・鉄・人」の作家でもあり事務局の内藤照幸(ないとうてるゆき)さんにお話を伺った。「オブジェや作品と言うと敷居が高くなりがちだが、鉄に気軽に触れられる機会になって欲しい」と内藤さんは言う。

　柔らかな緑色の芝生の上の鉄オブジェたちはハロウィーンを意識したラインナップで、冷たい金属で作られていながらどこかユーモアがあり温かく感じるものばかりだ。茶色の錆が作品の味わいと温もりを増し、蜘蛛の巣が張っていたり草が絡んでいたりと、そこにある自然と馴染んでいる。

（内藤さん(ナイトー工業㈱)の作品”アマビエ”とともに。）

　この日も、たくさんの人たちが「かぼちゃだ！」「ハロウィーンだ！」と足を止めて写真を撮っていた。作品がロープで囲われているのは、お子様の万が一のケガや錆による洋服への汚れ防止のためだ。ケガなどに充分気をつければ、そばで写真を撮っても大丈夫だそう。近くで見てどうやって作られているか職人の技も感じてほしい。

　現在、コロナ禍のため休止中だが、内藤さんは、「モノづくり」の現場を知らない人たちに「溶接体験」も企画している。作品を見て、モノづくりに興味を持ってもらえることも嬉しいことなのだ。

　今回展示されている作品の中には、映像製作会社の目に留まりテレビドラマで使われたものもある。浜名湖ガーデンパークの美しい草花とともに「はままつArt・鉄・人」の作品もぜひSNSに投稿していただきたい。みなさんが撮った写真から、浜松で作られた鉄のオブジェが有名になるかもしれない。

（ギャラリー前にはキッチンカーもあり、食欲の秋も満たされる。）

　ペットと一緒に出掛けられる場所としてワンちゃん連れも多い。いろんな種類のワンちゃんと会えるのも楽しみ方の一つかもしれない。

　これからの時期は、秋の空の下一斉に風に揺れるピンク色のコスモス畑を楽しみにされている方も多いのでないだろうか。コスモスの開花情報やオータムフェスタのイベント日時など浜名湖ガーデンパークのホームページをチェックして、浜松ならではのたくさんの秋を堪能してほしい。

●浜名湖ガーデンパーク

https://www.hamanako-gardenpark.jp/

〒431-1207 静岡県浜松市西区村櫛町5475-1

TEL 053-488-1500

休園日：年末年始（12月29日～1月3日）

●アイアンアート集団はままつArt・鉄・人(アーテツト)

事務局ナイトー工業㈱

433-8124 静岡県浜松市中区泉4丁目24-40

TEL 053-472-2735

https://naithu101030.hamazo.tv/e8593355.html

編集部：廣上明子（海の湖HAMANAジェンヌ）