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この日ジェンヌがやってきたのは浜松市中区常盤町にある二橋染工場。伝統技法である浜松注染そめを体験しにやってきた。”注染そめ”を聞いた事があるだろうか。浜松で育った人は、毎年ゴールデンウィークに開催される浜松まつりの手ぬぐいをイメージしてほしい。各町の凧印が入った手ぬぐいは注染そめと言う技法を使って染めている。
この注染そめの特徴はなんと言っても通気性が良いことだ。浜松は、国内約半分のシェアを占める浴衣の一大生産地。浜松注染そめの浴衣を着たことがある方はお分かりだと思うが、着心地がとても良い。また手洗いも可能であり、1シーズンに何度も着ることができる。そして、生産の工程では、型紙1枚で何枚も染めることができることも大きな特徴だ。
浜松の注染そめは大正時代から始まったと言われている。強い風が吹くこの浜松は浴衣の生産に適していたのだろう。戦後、繊維業が盛んになり、一時は”いとへんのまち”とも呼ばれるようになったが、時代と共に衰退をしていった。しかし、今もなお受け継がれているこの伝統的な技法を若い人にも知ってもらいたい、そんな思いでこの体験を実施している。
早速、工場の中に入り前掛けを着ける。気分はもう完全に職人だ。まず、最初の工程である「糊置き」を体験させていただいた。型紙を生地に置き、大きな木ベラで一面に糊を伸ばす。その後、何度か生地を折り返して塗っていく作業を繰り返すのだが、職人はいとも簡単な手付きで糊を塗っていく。さあ次は、ジェンヌの番だ。糊の入った釜から木ベラに糊をすくい取り、いつにない真剣な表情で生地に塗っていく。「ああ〜!難しい!!」おかしいくらいに均一に塗ることができない。それでも必死に作業を行い、糊置きを終えた。木ベラが重く、すでに腕が攣りそうだ。
続いて「土手つくり」と「そそぎそめ」を体験させていただいた。色が混ざらないように糊を塗った生地に土手をつくっていく。ケーキにデコレーションをするようなイメージだ。楽しそうに土手を描いていくのだが、こちらもなかなか力が要る。その後、染料の入った口の長いやかんで色を染め、下まで到達した染料を生地の下から吸い込む。何色で染めようか悩みながら、3人で交代していく。どうやら色とりどりの手ぬぐいが完成しそうだ。最後に外枠を2色のグラデーションでぼかしを作ろうと、ジェンヌの1人がやかん2つを手に取り注ぎ始めた。もはや芸術の域だ。
その後、職人さんにより、「洗い」という作業を行っていただいた後、天日干しをするために高さ5m以上の木竿がある建屋に移動する。すでに干してある生地を下から眺めると、鮮やかな柄の生地がヒラヒラと舞い、目を奪われる。ジェンヌのカラフルな手ぬぐいも一緒に干していただいた。ここで浜松の強い風が、柔軟な生地づくりに貢献してくれるらしい。できあがりを楽しみに記念写真を撮る。
「かわいい〜!!」出来上がった手ぬぐいを見て大喜びなジェンヌたち。この体験では、その場で手ぬぐいを持ち帰っていただくために乾燥機を使用し、完成させる。注染そめの工程を描いたスタンプを、手ぬぐいを包むための包装紙に押していく。自分の作った手ぬぐいを丁寧に折りたたみ、包装紙で包めば完成!思わず笑顔が溢れてくる。
職人さんにお礼を言いながら外へ出ると、実際にプロの職人さんが作った生地も販売していた。購入することもできるそうだ。ここ浜松には、こんなに素晴らしい伝統技法が今もなお受け継がれている。10年後、20年後もこの技法を受け継いでいきたい、体験するとより想いは強くなる。この地域が誇れる産業をまずは浜松に住んでいる私たちが体感し、その良さを繋いでいけたら良いと思う。
目次
https://hamamatsuat.hamamatsu-daisuki.net/experience/318/
体験動画はこちら (3:29~)
撮影:海の湖HAMANAジェンヌ御手洗里美
編集部:河野美奈子
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