奥山で過ごす静寂な時間、心を休める森林浴

　この日、ジェンヌたちが訪れたのは方広寺。臨済宗方広寺派の大本山である方広寺は広大な大自然の中にあるお寺だ。山門から歩いていくと森林の中に参拝者を見守るように佇むたくさんの羅漢様が。羅漢様の優しい表情と心地よい空気を感じ森林浴を楽しみながら大本堂を目指す。

見事な大本堂とレトロなおみくじ

　まず坂道を登りきったところにある大本堂の大きさに驚く。本堂に佇む国重要文化財である釈迦三尊像は座って手を合わせるとちょうど目が合う位置にあり、華麗で美しい姿を見てとても穏やかな気持ちになる。

　お釈迦様へご挨拶をした後に向かった先は半僧坊真殿。ここには知る人ぞ知るおみくじがあるのだ。願いをこめて100円を入れると中のからくり人形が動き始めた。くるりと回り奥の扉に入って行ったと思いきや、おみくじをお盆に乗せて戻ってきた。取り出し口から出したおみくじを、ドキドキしながらこっそり読む。どうやら良いことが書いてあったようだ。

まるでうな重？！とっても美味しい精進うなぎ！

　お寺を拝観した後は、念願のお昼を食べに同じ敷地内にある食堂へ。ここ、方広寺では精進料理でうなぎを食べることができる。運ばれてきたお膳を前に、和尚さんと一緒に食事五観を読みあげる。「いただきます！」とお重の蓋を開けるとそこにはうなぎが‼︎

蓋を取った時の香りからお箸を入れる瞬間まで、まるでうなぎそのもの。口に含んでもやっぱりうなぎなのだ。皮の代わりに海苔が、蓮根、豆腐、長芋でうなぎの食感を出す。精進料理は昔から肉や魚に似せたものを作るという。これはとても美味しいうなぎもどきだ。全員完食。ごちそうさまでした！

魅力たっぷり、奥浜名湖地域の魅力

　一番高い位置にある三重塔から敷地を見渡せば、誰しもがその敷地の大きさに驚愕するだろう。お寺を囲むかのように繁る木々は、秋が深まるにつれて色を変えていき、紅葉の時期にはライトアップが行われる。このお寺はいつ訪れても、温かく迎えてくれ、癒しを与えてくれるに違いない。

　お寺を楽しんだ後は、山門の下の通りにある野沢製菓で”大あんまき”を買って帰ることをおすすめしたい。まずその大きさに驚くが、食べてみると餡があっさりしており、皮とのバランスとほど良い甘さが特徴だ。

　他にも、奥浜名湖には方広寺を含む5つの寺院がある。これらは湖北五山と呼ばれ、国指定重要文化財を有する。過ごしやすい秋は、これらの神社仏閣や名物のみそまんじゅう、紅葉を楽しみに、ぜひ奥浜名湖地域へ足を運んではみてはいかがだろうか。

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撮影：海の湖HAMANAジェンヌ御手洗里美

編集部：河野美奈子