みかんの木が実をつけて、広い空にオレンジ色がきらめく秋冬の三ヶ日エリア。

その中でもひと際、素晴らしい眺望が見られると聞いてお邪魔したのは、東名三ヶ日インターから車で5分の『浜名湖パラグライダースクール』です。

標高420ｍから浜名湖を一望できるパラグライダーのフライト場で、スクール校長の青木翼さんにお話を伺いました。

三ヶ日インターから車で5分！トロッコに乗って行く絶景スポット

　海外の大会にも参戦し、選手そしてインストラクターとして活躍する青木翼さん。空との親和性を感じる「翼」というお名前の由来は、ハンググライダーをされていたお父さんと、航空会社にＣＡとして勤めるご親族にちなんで名づけられたそうです。

　幼少期は、人気サッカーアニメの主人公と同じ名前に気恥ずかしさもあったそうですが、名は体を表すかのごとく自然と空に憧れを抱き、パラグライダーを始めました。

　おススメのフライトスポットへは、スクールから車で林道を移動した後、赤いポップな車体のモノレールで山の斜面を登ります。

通常1時間ほどの登山が必要な場所ですが、トロッコ列車のようなモノレールなら楽々。レールを挟んで右手には自然林、左手には人口植林と、木漏れ日の中をのんびりと進みます。

パラグライダー場見学ツアー

　パラグライダー場に到着すると早速、この日フライトを行うお客さんのパラグライダーが、空に舞い上がりました。

　「パラグライダーを体験する人しか、この場所には来られないのですか？」

　青木さんにたずねると、パラグライダー場を見学できるツアーを、ドリンクや食事付きで実施されているそうです。

　(※ドリンク・お弁当はショップでお渡し)

　子どもにも人気の見学ツアーは、大人は3名までと少人数で催行するため、コロナ禍でも参加者が増えているとのこと。

　モノレールで移動後、アウトドア用のビーズクッションに腰かけて、ゆったりと浜名湖の景色に浸れます。

　「まるでパラグライダーで飛んでいるようなジャンプ写真も撮ることができる」と、若い女性にも評判です。

浜名湖の贅沢な借景を眺めながらのランチタイム

　「パラグライダーをやる人だけをターゲットにしていては、この場所が発展しない。」そう考えた青木さんは、三ヶ日地域やこの絶景スポットを体感できる見学ツアーを発案しました。

　浜名湖の景色や空を飛ぶパラグライダーを眺めながら食べるお弁当には、地元三ヶ日牛を使った焼肉弁当や、オーガニック食材が詰まったピクニックパックが選べます。「炭火焼肉三愛」「農家民宿カフェ coco-Rin」など地元店舗の協力で実現した野外ランチは、この場所ならではの体験です。

　愛犬を連れて参加できる『わんこぷらん』や和田農園の三ヶ日みかんジュース付きドリンクプランもあり、予約は催行日3日前まで受け付けているそうです。

　「日除けのパラソルもご用意しています。冬場は暖かい格好でお越しくださいね。」とのこと。

【見学ツアー詳細】　http://jpmsports.com/tour.html

知らない景色は、意外と近場に広がっている

　この場所に惹かれ三ヶ日に移り住み、先代からパラグライダースクールを受け継いだ青木さん。

　「浜松でパラグライダーが出来る場所があることを知っているか？」地域の大学生と一緒に認知度リサーチをしたところ、結果は浜松に住む人の16％の人しか、その存在すら知らない実態が明らかになりました。

　「ロケーションはもちろん、晴天率や浜名湖を越えてくる上質な風、コンディションの良い条件がこの場所には揃っている」と、話す青木さん。パラグライダー場の見学をきっかけに、パラグライダーにも興味をもって貰えたらと期待を込めます。

　今回は日中の暖かな時間帯に、ランチとセットになった見学ツアーを紹介いただきましたが、秋以降は夕方の時間帯も景色がとてもきれいなのだそうです。

　湖に映る夕日のオレンジが、夜の闇に滲んで変化していくマジックアワーの企画など、今後もたくさんの方に訪れてもらう仕組みを計画中のようです。

【浜名湖パラグライダースクール】http://jpmsports.com/

（文）浜松・浜名湖観光ライター　ジャンク板村