発明のまち。
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発明のまちWorld Brand & Local Brand想いの数だけ音色がある。楽 器Musical instruments世界的楽器ブランドが育った浜松の象徴。 国内初の公立楽器博物館は、浜松が楽器産業のメッカであることからつくられた。代表的なメ-カ-が「ヤマハ」と「カワイ」で、両方とも優れた技術者の発明をル-ツに発展した世界的な楽器ブランドだ。ヤマハの創始者“山葉寅楠”は、出張先の浜松で修理を頼まれたことをきっかけに、オルガンの構造を解きあかし、音楽も勉強し、輸入品に負けない性能のオルガンを作り出し、1900年には国産第一号のピアノを製作。このとき、寅楠のもとでピアノの心臓部であるアクションづくりを担当したのが、その後独立した河合小市だった。楽器博物館には、寅楠がつくったオルガンの実物も展示されている。また、演奏された世界初のピアノは河合楽器のスタッフの手で復元されたものだ。 展示楽器数は、東洋一の規模の千二百点以上。楽器の森を散策すると、地球上には、音色も演奏法も形も、実にさまざまな楽器があることに改めて驚かされる。そして、人間と音楽の根源的な結びつきを感じずにいられなくなってくる。人は、きっと表情や言葉だけでは感情を表現しきれず、つき動かされるように楽器をつくったのだろう。“音楽”は、いわば人のもうひとつの言葉なのだ。楽器をめぐる時空の旅は、そんなことも感じさせてくれる。08

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