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体験レポート

牡蠣好きにはたまりません! ”浜名湖で牡蠣剥き&焼き牡蠣グルメ体験”

浜名湖に、自分で剥いた牡蠣を、その場で炭火焼きにして食べさせてくれるところがあるのをご存知だろうか。知る人ぞ知るその穴場グルメポットとは、浜名湖今切パーク『海湖館』。毎年12月から2月いっぱいまでの日曜日と祝日、予約をすれば、水揚げされたばかりの新鮮な浜名湖産牡蠣を、10個で千円という破格値で味わうことができるのだ。牡蠣の養殖や生態を知ることもできるこの牡蠣剥き体験に、だいすき隊がひと足お先に突撃。絶品牡蠣を味わうとともに、全員が牡蠣博士となって帰ってきたのでありました。

牡蠣も、ただじゃ喰われません

海湖館の前でスタッフの方が牡蠣の焼け具合を見ていた。

いい香り。思わず覗き込むだいすき隊

だいすき隊が誇るご存知Yファミリー隊員の大黒柱、Y父隊員のお母様は、珍しい食べ物を知ると、すぐに子供のY隊員に食べさせてくれたそうである。だから、ピッツア体験もスパゲティ体験も、人より早かった。その中には、カキフライなるものもあったという。

「俺はね、小学校のときに初めて牡蠣フライを食べて、この世にこんなおいしいものがあるのか、と感動したんだよ」。
ちなみにその慣習は今でも続いていて、最近は新しものとして、母にカスピ海ヨーグルトを食べさせられたそうである。「じゃあさ、ミルクカップラーメンも食べただろ」とS隊員。「そうそう。あれ、うまいよ。ミルクチャウダーだよ」。

「な、な、うまいよな。」とB級グルメ談義ではしゃぐS隊員にとって牡蠣といえば、「いや〜、そりゃもうダイエット!」なのだそうだ。B級グルメだが、牡蠣好きぶりにも誇りを持っているS隊員。去年、スーパーで買ってきた生食用の牡蠣をたらふく食べて大あたり。「そしたらさ、1日で3キロ減って、そこから半年くらいリバウンドなし。あれ、もう1回やりたいなあ」。

Y母隊員は、「フランスで氷の上に乗った生牡蠣を食べたことがあるの。おいしかったわ〜ん」。まっとうな牡蠣体験だ。私も、牡蠣といえば、おフランスのおパリの街角のおレストランで食べた、牡蠣のスープである。あのおいしさは、四半世紀を過ぎたいまも脳髄に焼きついている。その思い出だけをつまみに、ワインを1本あけることができるくらいだ。 今回も元気に参加してくれたY子供隊員は牡蠣好きの両親の血を引くだけあって、「牡蠣は好き!」と言うが、しかし私は子供のときは牡蠣は苦手だった。味より何より、まず、あの形状がダメだった。だから、冒頭のY隊員の言葉はにわかに信じられない。
「あのさ、私は小さいとき牡蠣フライが出ると、必ず食事ストライキを起して絶対に食べなかった。だって、噛むとウンコが出てくるじゃん!」
「牡蠣のウンコ?う〜ん、間違いではないですね。あれは内臓ですから。でも、あれがうまいんですよね」

徒然に、そんな牡蠣思い出話をしながら、『海湖館』にやってきただいすき隊を迎えてくれたスタッフの方が、バーベキューコンロの前で、私の大声にこたえてくれた。炭火にあてられた網の上では、香ばしい磯の香りを放ちながら、いい感じに牡蠣が焼かれている。

「そうそう。あれがうまいんですよねえ。うわ、うまそ〜」とY父隊員が、網の上に鼻を近づけると、突然「パンッ」と、牡蠣がはぜた。「危ないですから、もうちょっと離れて。牡蠣もね、ただじゃ喰われない。多層構造になっている殻の中に、ゲル状のものがあって、それが熱で膨張すると、爆発します。爆発して抵抗するんですよ」。ユーモアたっぷりに説明してくれるこの方が、今日の牡蠣剥き&牡蠣焼きグルメ体験の先生だ。

シャンパン片手に焼き牡蠣デート?

ちなみに、いま先生が焼け具合を見ているのは、我々の前に体験をなさった熟女3人組が剥いた牡蠣。屋外に置かれたテーブルで、お3人、おいしそーに焼きたて牡蠣をほおばっていらっしゃる。その片手にはお握りが。なんと、この体験は持ち込み可。

「ワインやお酒、お握りなどを持参される方も多いですよ。牡蠣好きの方は一人でもお見えになります」。
浜名湖を眺めながら、シャンパン片手に新鮮炭火焼き牡蠣をいただくなんてこともできるのだ。冬のデートにもいいかも。それにしてもいい香りだ。早く食べたい。いますぐ食べたい!

と、「さて、早く食べたいところでしょうが、ちょっと我慢していただいて、牡蠣を剥くところから始めていただきます。自分で剥いた牡蠣は、一段とおいしいですよ」と先生。ううむ、このお方、できる。心の中は完全に見透かされているのであった。

おいしさの前に労働しなければ。ここが牡蠣むき体験所

やる気まんまんの牡蠣好き夫婦

牡蠣の殻は、非常にかたい。ちょっとやそっとでは、こじあけられないかたさなのである。なぜ、そんなことを知っているかというと、よく、小説にかたい物や様の比喩として登場するからだ。 「彼女の口は、牡蠣の殻ようにかたい」という様にである。果たして、ちゃんと剥くことができるだろうか。おいしさの前に待っている労働は、けっこう大変な労働なんじゃないだろうか。

そんな思いを抱きながら海湖館内の牡蠣剥き体験コーナーに向かうと、案の定そこには、軍手だのペンチだのが並べられ、モノモノしい雰囲気。「みんな、ちょっとやそっとじゃ、牡蠣って剥けないのよ。気張っていくわよ」と私は気張って号令をかけた。

お歳暮に牡蠣をもらってももう大丈夫

先生がわかりやすく説明してくれます

牡蠣剥きの正しい持ち方

「さて、では、これから牡蠣剥き体験をしていただきます。この中で、牡蠣を剥いたことがある方は?」と先生。もちろん、だいすき隊は無反応。牡蠣を剥くのが仕事の方以外、人生で牡蠣を剥く機会なんてそうあるものではないだろう。
「なぜお聞きしたかというと、お歳暮に牡蠣をいただいても、結局剥き方がわからなくて、無駄にしてしまうということが、案外多いからなんですよ」。

「お歳暮に牡蠣?そんなお歳暮をくれる人はいません!」Y母隊員か断言する。「決していません!」私も断言する。
そういえば、むか〜し、タレントの堺正章の奥さんが、「お歳暮に伊勢海老や牡蠣やらもらって、たいへんな思いをした」ことを離婚の理由にあげていたっけ。
「そうですか、牡蠣のお歳暮をもらったことはないですか。でも、もしかしたら、これからあるかもしれません。でももう大丈夫ですよ。この体験をすれば、誰でも簡単に牡蠣を剥けるようになりますからね。ぜひ、覚えて帰ってください」。

堺正章夫人もここにくればよかったのに。他人ことながら無念が走るが、海湖館が牡蠣き体験を始めたのはオープンの翌年の平成16年から。間に合わなかったか。

さて、先生が丁寧に説明してくれた牡蠣の殻の剥き方はこうである。

ミルフィーユのように何層にも殻が重なった、ゴツゴツした形状からは見てとれないが、牡蠣は2枚貝である。その2枚の貝殻を結ぶ貝柱は1本で、牡蠣を剥くには、その貝柱を殻から切り離さなければならない。
貝殻のふくらんだ方を手の平側に、そして、蝶番となっている細い方を上にして持ったとき、その貝柱は貝の中心の少し左側に位置する。プロは、先の尖った細いナイフを持ち,その切っ先で蝶番の反対側をこじあけてナイフを中に入れて貝柱を切るが、この体験では危険なので、家庭用のナイフを使う。家庭用ナイフだと、硬く閉じた殻を開けて内部に差し込むことはできないので、スタッフの方がペンチで牡蠣の端を少し砕いておいてくれてある。

ペンチであらかじめ入り口をつくってあるので楽

パカッ!

砕いて穴があいたところからナイフを入れるのだが、真っ直ぐ入れると内臓を傷つけ、うま味を台無しにしてしまうので、上の殻にそってナイフを動かすのがコツ。差し込んだナイフをちょっと左に動かすとやや抵抗がある。そこが貝柱だ。貝柱を切断したら、テコの要領でナイフをコキコキと動かして、差し入れた口の隙間を大きくしたら、あとは力技。上の方の貝殻を剥がし外せば一丁上がりだ。


子供隊員も挑戦

できた!

マンツーマンでおしえてくれます

子供隊員もむけました!

パカッ。「できた。けっこう簡単だねえ」「おお、うまそう!」歓声を上げるだいすき隊。Y子供隊員も、器用にナイフを動かし「できたあ」ご機嫌だ。
「3つ4つやると、コツがわかってくるでしょう」と先生の言う通り、やればやるほど、手早くなる。滅多なことでは面白がらないS隊員も「おもろいな」と面白がっている。Y父隊員「貝職人と呼んでくれ」。海の芳香のなか、興が乗っていくのであった。

出来上がり!

むけたぞ!むけたね!

ただ牡蠣をとどめておくだけ。だから天然です。

ここで、牡蠣剥きをする我々に先生が話してくれた、浜名湖の牡蠣と牡蠣の養殖について、紹介しておこう。
  浜名湖に遊びに行った人は、誰もが湖の水面から棒が出ているのをみたことがあるだろう。規則正しく並ぶこの棒が、牡蠣棚という養殖場所だ。

カキの卵は海水の中で精子と交わり受精卵となり、1日ほどで『D型幼生』という子供になる。このときの体長は2〜3ミリで、アサリのような2枚貝の形をしているそうだ。その姿で海の中を漂いながら、プランクトンを食べて成長し、2週間ほどで海底に降りて付着する場所を探す。見つかるとセメントのようなものを出してそこにくっつき、一生その場所でプランクトンを食べながら暮らすというのが、牡蠣の生態である。

養殖は、夏にホタテの貝殻に牡蠣の幼生を付着させ、その貝殻をつなげて輪っか状にした針金を牡蠣棚につり下げて湖の中に沈めて、2年目の冬まで育てて出荷するというのが手順。単純である。
「養殖といっても、ただ、牡蠣を1カ所にとどめておいてあるだけで、あとは自然のまま。餌もあげない。」つまりは、養殖牡蠣といっても、天然に限りなく近いということだ。

10分ほどで、20個を剥き終った。プリプリの天然に限りなく近い養殖牡蠣は、見るからにおいしそうだ。しかも、牡蠣剥きと牡蠣焼きは10個で千円と格安。「これくらいの牡蠣だと市場では安くても3個で500円よ」と、スタッフのおばちゃん。一人でやってくる常連さんがいるというのも頷ける。

今年もメスだとは限らない?

剥きたての牡蠣を、外に運んで、いよいよ、焼き&食タイムだ。
「みなさん、スーパーなどで売られている牡蠣は、加熱用と生食用の2種類があるが、その違いがわかりますか?」と、牡蠣を炭火の網に並べながら先生。
「はい」と手をあげたのはカキにあたってダイエットが成功したというS隊員だ「海域の違いです。きれいな海域でとれた牡蠣は生食用、そうではない海域でとれた牡蠣は加熱用なんですよね」。

「正解」と先生。「なぜ、牡蠣にあたるのか、きちんとお教えしましょう。理由はふたつあります。まずひとつは、牡蠣が大腸菌などの雑菌を多く持っている場合、体調が悪かったりたくさん食べたりすると、食あたりすることがあります。もうひとつは、赤潮が発生したりして毒を持ったプランクトンを牡蠣が食べることによって、牡蠣の体内に毒がたまり、それを食べてしまったときです。これは、文字通り貝毒という毒を摂取してしまうわけだから、ひどい症状になります。が、これも牡蠣そのものが毒性を持っているというわけではありません。牡蠣にあたるのではなく、貝毒にあたるんですよ。で、加熱用か生食用かというのは、さきほど言われたように、その産地の海域が含む雑菌が多いか少ないかで変わります。魚はイキのいいものは刺身で、日を置けば料理をするけど、です」。

「魚は鮮度が落ちると加熱するけど、牡蠣は違うんですね」とY母隊員。「そーです。」と先生。「牡蠣は鮮度ではないんです。でも、そういう雑菌は、どこにでもいるものです。抵抗力があれば問題ないわけで。ちなみに、生食用で有名な鳥羽の的矢牡蠣は、海からあげてからしばらく滅菌海水で飼って雑菌を抜いて生食用にしているんです」。

そうだったのか。勉強になる。

先生が焼け具合を見てくれます

心臓が動いてる!

「ちなみに、浜名湖の牡蠣は加熱用ですから、いまから炭火で焼きましょう。今日は子供さんがいるから、ちょっとしっかり焼きましょうね」。
来たときと同じように、牡蠣が炭火の上で磯の香りをふりまきはじめた。と、「ここをみてください」と先生。示されたところを見ると、牡蠣の身の中で、なにか小さなものが伸びたりちぢんだりしている。「心臓ですよ。いま、火の上で焼かれているから必死で循環を早めて冷やそうと、バクバクしています」。
「ええ?」と驚く隊員たち。牡蠣も生き物、心臓のひとつやふたつあったっておかしくない。でも、なんだかかわいそうだ。

「先生、牡蠣にオスとメスってあるんですか?」と、Y父隊員。
「ありますよ。生き物ですからね。牡蠣はやせているのがオス、身がふっくらしている方がメスと考えて良いです。卵を育てるための栄養をたくさんふくんでいるから、メスはぷっくりしていておいしいんですよ。」 なーるほど。ぷっくりしておいしい、という先生の言葉に、さっきの哀れみはふっとんだ。

しかし、続ける先生の言葉はショーゲキであった。
「でも、牡蠣は去年メスだったからといって、今年もメスだとは限らないんですよ」。
「えええ?」意味がわかんない。「餌をたくさん食べることができて、ふとった牡蠣がメスになるんです。そうじゃないと困っちゃうでしょ。最初からメスって決まっていて、その牡蠣が餌があまり食べられずにやせていたら、卵が育てられなくて、種の維持ができないから」。

なんと!牡蠣は性転換しながら育つのであった。しかし、このやり方は、なかなかかしこい。人間も、女らしい人が女になり、男っぽい人が男になればいいのに。

早く焼けないかな

もう焼けました

「ボーノ!」「濃厚!」「海の宝石箱や〜」

子供だって、おいしいんだもん。『カキ大将』です

パクっおいしい

そうこうするうちに、牡蠣が焼けてきた。透明だった貝柱が乳白色になり、牡蠣が下の殻からするりと剥がれたら、火が通った証拠。身だけをひっくり返して上になっていた面を下にしてしばし待てば、牡蠣の炭火焼きの出来上がりだ。 「どうぞお召し上がりください」

ぷりっぷりの牡蠣が10個で千円です

浜名湖、青空、焼き牡蠣・・・幸せ3点セット

アツアツの焼きたての牡蠣がどーんとテーブルに運ばれる。牡蠣殻の端をつまんで、プリプリの牡蠣をつまみ、するりと口に送り込めば、たちまち広がる独特の風味。海の香りと、ほろ苦さと、海の塩辛さとしょっぱさと甘み。う〜ん。文句なくうまい!考えてみれば、とれたての牡蠣である。それを炭火で焼いて食べているんだから、うまくて当たり前だが、何かが違ううまさなのだ。

「うまい!」「ボーノ!」「濃厚!」「海の宝石箱や〜」「おいちい!」次々に上がる礼賛の声。「ああ、よかった。牡蠣はね、亜鉛やタウリンなど、他にはあまりない栄養分も豊富で、海のミルクと呼ばれているんですよ」と先生も満足顔。 だいすき隊、焼きたて牡蠣をあっという間に平らげて大満足。積み上げた牡蠣殻が、なんだかすごく豪華なことをした気分を、いっそう盛り上げてくれるのだった。

牡蠣を剥いて食べるだけではなく、牡蠣通にもなれるこのグルメ体験。浜名湖に来たら、味わわない手はない。年間100トン養殖されている浜名湖の牡蠣。素性のはっきりしたものを食べられるのは、ここだけなのだ。

浜名湖今切パーク 海湖館
[ 牡蠣剥き体験 ] 12月〜2月・要予約
[ 開催日 ] 期間中の日曜日及び祝日
[ 時間 ] 午前11時と午後1時からの2回
[ 定員 ] 1回10名 1日20名
[ 参加費 ] 一人1000円(浜名湖産牡蠣10個)
[TEL ] 053-594-6624

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