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そもそも何の話にするか。それを決め、ストーリーを練り上げることが、今回の映画づくりの最初の作業であり、かつ最も苦労をした点でした。そのまま原作として使えるお話もなかったので、脚本を一から創作することに。決まっていたのは、「浜松を象徴することとして凧上げを題材にすることと、誰がみてもわかりやすく、見終わったあと『ああ、みてよかったな』と思える心あたたまる人情物語にする」ということだけ。県民から集めたノンフィクションストーリーを収録した静岡新聞社発行の『ちょっといい話』などを参考にしながら、脚本家の本田氏と物語を練り上げていきました。
それまで浜松のことはあまりよく知らない本田氏に脚本を依頼したのは、新鮮な目で浜松の魅力を発掘して欲しいという考えから。その本田氏からの「浜松に住む人々の暮らしぶりや、その表情、空気の色を知りたい」という要望も受けて、凧上げに関わる人々のみならず、浜名湖周辺や中田島砂丘はもちろん、渋川や春野町など、市内各地に本田氏が足を運び徹底的に取材をし、何度も練り直して、「短い間によくこんなに素晴らしい脚本をつくってくれたな」と、稲葉さんたちスタッフたちが感激した脚本ができあがったのは、お正月あけ。1月の下旬にクランクインしました。
約15カ所をめぐったロケの中でも最も規模の大きなものとなったのが、1月29日に浜名湖花博跡地ガーデンパークで行われた凧上げシーン。映画ではラストを飾るこのロケには、凧上げに参加する約500人の祭り男の出演者に、事前にさまざまなメディアで募集告知をかけて集まってもらった観客役のエキストラの方たちあわせて約8500人の市民の方が参加。その熱気にこたえるように、真冬ながらあたたかな空気をはらみ、真っ青に晴れ上がった空に大凧が勇壮に舞い、撮影は大成功に終わりました。家庭のシーンは、浜松市内の実際の民家を貸りて撮影。渋川のロケでは、路面が寒さに凍結してしまい行き来に苦労をしたり、雨にたたられてスケジュールが大幅に狂い、1日に3ケ所のロケを強行したことも。短期間の集中撮影でしたが、なんとか無事に約ひと月でクランクアップしました。
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