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映画『天まであがれ!!』笑えて、泣けて、心があたたまる。浜松市民の手作り映画がもうすぐ公開。

 浜松を舞台にした、浜松ならではの心あたたまる物語が展開される映画『天まであがれ!!』が、今夏に公開されます。『浜名湖えんため※』が、経済産業省の委託金を得て、浜松市、吉本興行とともに製作したこの映画は、多くの市民の方々が裏方スタッフとしてだけではなく、エキストラや出演者としても画面に登場する手作りの映画。浜松の魅力を、広く全国に知らしめようという意図で製作された『天まであがれ!!』の公開初日には、俳優さんたちの舞台挨拶も予定されています。その前に、制作にまつわる裏話などを、総指揮をとった浜名湖えんための稲葉さんの話から紹介しましょう。

驚きの制作決定。それからは”やらまいか”精神をフル出力
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 一昨年に、浜名湖えんための活動のひとつとして発足した『浜名湖ロケ応援団』が、今回の映画づくりのきっかけでした。ロケ応援団とは、文字通り、準備や後片付け、ときにはエキストラとして、浜松市内でロケを行うテレビや映画のスタッフのお手伝いをする市民ボランティア団体。浜名湖や中田島砂丘があるおかげで、浜松では年間を通じて何10本というロケが行われています。それを、観光地としての浜松の魅力をもっと全国に知ってもらうためにいかそうと、浜名湖えんための呼びかけでロケ応援団が発足。昨年、全編を浜名湖でロケした2時間ドラマ(オンエアはこれから)をサポートしているときに、映画をつくりたいという気運が、スタッフや応援団のメンバーに生まれました。

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 「映画制作をロケ応援団の規模の拡大の起爆剤にすることと、映画を観た方に浜名湖に来てもらうことを目的に、自分たちの手で映画をつくろうではないかということになったのです」と、今回の仕掛け人となった浜名湖えんため代表の稲葉さん。とはいっても、何から始めていいのかわからない状態からのスタート。とっかかりとしてトライをしたのは、経済産業省が全国の都市に映画づくりを支援する目的で提供している委託金を得ることでした。立候補をしている他の都市は、映画の脚本やスタッフ、配役などすべてがすでに決定していたのに対し、浜松は、委託金がおりたら映画制作に乗り出すというスタンスで事実上はまったく白紙。圧倒的に不利でしたが、「無理だろうなと思いながら」(稲葉さん)立候補し、熱意だけを武器に交渉や面接に臨んだ結果、見事に委託金を手に。昨年の9月半ばに、映画制作が始まりました。

 吉本興行と共同製作をすることは決定していましたが、脚本もなければ原作もなし。本当にゼロからの、しかも未知なる映画づくり。「自分自身、委託金がとれたときには、正直驚きました」と振り返る稲葉さんですが、それからは、スタッフ一同“やらまいか”精神をフル出力で発揮。半年間で、多くの市民の方の協力のもと、心あたたまる映画ができあがりました。

人々の暮らしぶりやその表情、空気の色を丹念に取材
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そもそも何の話にするか。それを決め、ストーリーを練り上げることが、今回の映画づくりの最初の作業であり、かつ最も苦労をした点でした。そのまま原作として使えるお話もなかったので、脚本を一から創作することに。決まっていたのは、「浜松を象徴することとして凧上げを題材にすることと、誰がみてもわかりやすく、見終わったあと『ああ、みてよかったな』と思える心あたたまる人情物語にする」ということだけ。県民から集めたノンフィクションストーリーを収録した静岡新聞社発行の『ちょっといい話』などを参考にしながら、脚本家の本田氏と物語を練り上げていきました。

 それまで浜松のことはあまりよく知らない本田氏に脚本を依頼したのは、新鮮な目で浜松の魅力を発掘して欲しいという考えから。その本田氏からの「浜松に住む人々の暮らしぶりや、その表情、空気の色を知りたい」という要望も受けて、凧上げに関わる人々のみならず、浜名湖周辺や中田島砂丘はもちろん、渋川や春野町など、市内各地に本田氏が足を運び徹底的に取材をし、何度も練り直して、「短い間によくこんなに素晴らしい脚本をつくってくれたな」と、稲葉さんたちスタッフたちが感激した脚本ができあがったのは、お正月あけ。1月の下旬にクランクインしました。

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 約15カ所をめぐったロケの中でも最も規模の大きなものとなったのが、1月29日に浜名湖花博跡地ガーデンパークで行われた凧上げシーン。映画ではラストを飾るこのロケには、凧上げに参加する約500人の祭り男の出演者に、事前にさまざまなメディアで募集告知をかけて集まってもらった観客役のエキストラの方たちあわせて約8500人の市民の方が参加。その熱気にこたえるように、真冬ながらあたたかな空気をはらみ、真っ青に晴れ上がった空に大凧が勇壮に舞い、撮影は大成功に終わりました。家庭のシーンは、浜松市内の実際の民家を貸りて撮影。渋川のロケでは、路面が寒さに凍結してしまい行き来に苦労をしたり、雨にたたられてスケジュールが大幅に狂い、1日に3ケ所のロケを強行したことも。短期間の集中撮影でしたが、なんとか無事に約ひと月でクランクアップしました。


大凧づくり名人と、少年の物語。出演者は数えきれず。
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 「天まであがれ」という仮題がつけられた映画は、主人公の少年が、かつて大凧づくりの名人として知られた老人と出会い、死別した父への思いをこめた大凧づくりに挑戦するという物語。「少年の未来や、その成長を支える地域の温かさを描きたい」という横山監督の発案で、音楽の街としての姿も描きたいという思いから、急遽ブラスバンド演奏のシーンをいれるなど、そのままの浜松の姿を映しながら、ユーモアあふれるシーンもふんだんに散りばめて小さな感動を心に沸き立たせていくヒューマンドラマが織りなされます。凧名人役は、宍戸錠さん。主人公の少年は、映画出演経験もある子役の鈴木達也君、母親役には伊藤かずえさん、無くなった父親役は、地元出身の元Jリーガー武田修宏さんという配役。主人公のクラスメイトや学生さんなど、オーディションで選考したたくさんの市民も演技に参加。エキストラも合わせれば、出演者は数えきれない数になります。

 「地元の知っている場所がたくさん出てくるし、知っている人も出てきます。浜松の方は、愛着をもってみてもらえると思います。ところどころ笑えるシーンもありながら、最後にほろりとくる映画をめざしました。かなりの数の市民を巻き込んで、みんなでいっしょにつくれたとも思います」と稲葉さん。浜松市が合併したことのシティプロモーションの意味もこめて、浜名湖地域を中心に、天竜や渋川など広域にロケをおこない、新しい浜松の一体感もかもしだすことも狙いにした、初めての浜松の人々による浜松の映画は、浜松では、他に先駆けて今夏に封切られ、約ひと月映画館にかかったあと、全国の主要都市をまわる予定です。

天まであがれ!!公式ホームページ
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■浜名湖えんため
会長・稲葉大輔氏写真正式名称は『環浜名湖地域の観光振興を考える会』。館山寺温泉観光協会が中心となって、浜松市・周辺市町村・静岡県、中部運輸局ほか、官・民・業が一体となって、ほかの関連団体とともに、広域的・未来的に浜名湖が観光地として発展することをめざし、さまざまな活動をおこなっている。

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